『転生したら杉でした 目指せ樹高634m! 俺は歴史を眺めて育つ』が発売 スカイツリー超えを目指す巨木歴史ファンタジー

宝島社単行本『転生したら杉でした 目指せ樹高634m! 俺は歴史を眺めて育つ』が、2020年7月13日に発売された。本作は第7回ネット小説大賞受賞作で、神様同士のいざこざで杉に転生することになった主人公が、人間に戻るための条件として、日本一の高さを誇る建造物・東京スカイツリーの高さを目指す巨木ファンタジー作品。物語は日本が縄文時代を迎える頃より始まり、小さな苗木から樹高634m超えを目指す果てしないストーリーとして描かれる。鹿に喰われ、熊に薙ぎ倒され、キノコに寄生され、鹿に喰われ……と、成長環境ハードモードの世界で苦悩し続ける姿は笑いながら読み進められるだろう。

 

 

転生したら杉でした 目指せ樹高634m! 俺は歴史を眺めて育つ

 

 

【あらすじ】

工事の最中にご神木の下敷きになって死んだ俺は、神様によって転生させられた。しかし、異世界ではなく縄文時代。しかも杉。ス○イツリーよりも高くならないと人間に戻してもらえないらしい。俺は脆弱な土壌や富士山噴火に苦しみながらも、なんとか200メートルまで大きくなった。だが、戦争(平将門の乱)により火をつけられ、燃え落ちてしまうのだった。目を覚ますと、また縄文時代に戻っていた。神様にいくらなんでも無理ゲーすぎる、と訴えたら、ファンタジー能力を授けてくれた。これならいける。葉っぱを飛ばして経絡秘孔をつき、200度の温度に耐えられる樹皮を手に入れ、可愛い女の子の部下も手に入れた杉。俺はいつしか日本を代表する杉、大和杉と呼ばれるようになっていた。

 

 

ご神木の下敷きとなって、若くしてこの世を去ってしまった主人公は、人間として生き返るためにとんでもない条件を突きつけられることになってしまう。草木を司る神様からの依頼、それは建築物を司る神様の増長を抑え込むべく、杉の木として日本一の建築物の高さを超えるという難題だった。つまり、2012年に開業された東京スカイツリー超えを目指さなくてはならない。神様同士のいざこざに巻き込まれ、やや横柄な態度の神様に文句のひとつでも言いたくなるのだが、人間として生き返る可能性に賭けて数千年のミッションに挑む主人公は、間違いなくお人好しだと言っていい。もっとも、この先の苦悩を考えれば、その選択が本当によかったのかどうかは判断が非常に難しいところではあるのだが……。

 

 

【眷属の森人たちと共に634m超えを目指す!】

転生したら杉の木でした

 

 

また、本作では一本の杉として長き日本の歴史を俯瞰する……だけではなく、ちょっぴり介入しながら様々な史実に巻き込まれていくことになる。古事記に登場するヤマトタケルノミコトとの邂逅(草薙剣で討伐されないよう恭順を示してやり過ごす)、かぐや姫伝説のきっかけを自ら作ってしまう(かぐや姫は杉の森人として生み出される)、昔話や童話における金太郎との遭遇(相撲のぶつかり稽古が耐え難いので黄金をプレゼントして帰ってもらう)など、巨大な杉の木へと様々な存在が足を運んでくる。もちろん、神話や童話に登場する出来事以外にも、源平合戦や元寇など、歴史の流れを遥か高みから見届けていく。

 

杉の木に転生するという設定の裏側には、コメディを意識した展開がいくつも用意されており、お堅い歴史ファンタジーという印象は薄い。森人の眷属たちと共に日本の歴史を読みやすく、面白おかしく辿っていく一風変わった転生記をぜひ読んでみよう。

 

 

©石化/宝島社 イラスト:乃希

kiji

[関連サイト]

宝島社(このライトノベルがすごい!文庫)公式サイト

 

転生したら杉でした 目指せ樹高634m! 俺は歴史を眺めて育つ

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