独占インタビュー「ラノベの素」 入栖先生『マジカル★エクスプローラー エロゲの友人キャラに転生したけど、ゲーム知識使って自由に生きる』

独占インタビュー「ラノベの素」。今回は2024年11月29日にスニーカー文庫より『マジカル★エクスプローラー エロゲの友人キャラに転生したけど、ゲーム知識使って自由に生きる』第11巻が発売された入栖先生です。インタビューへの登場は2020年2月末以来となり、ほぼ5年ぶりの登場となります。熱いゲーム愛は変わらぬまま、圧倒的熱量で世界やヒロインたちと向き合い続ける瀧音幸助の物語は、待望のアニメ化企画も動き出しています。物語の大きな山場をいくつか抜けながらも、まだまだ加速する本作について、あらためてお話をお聞きしました。

 

 

マジカル★エクスプローラー11

 

 

【あらすじ】

「私は少しずつ若返っている。一年で数年分くらいだろうか」 エッロサイエンティストこと天才発明家アネモーヌにかけられた呪い。ゲームだとバッドエンドを迎えてしまう彼女を救うため、瀧音は規格外な提案をする!「過去に戻り呪ったヤツを倒してしまえばいいじゃないですか」 原作知識を利用して過去の法国にタイムリープした瀧音たちだが、どうやら今回は結花の幼少期イベントも絡んでいる様子。アネモーヌに呪いをかけた悪魔の生贄に捧げられようとしている過去結花も救うべく、ダブルミッション攻略としてまずは過去のロリヒロインたちに接触する瀧音だったが――!?

 

 

――大変ご無沙汰しております。インタビューは2020年2月末の第2巻刊行以来となります。あれからもうすぐ5年を迎えるわけですが、まずはこの5年を振り返っていただけますでしょうか。

 

こちらこそご無沙汰しています。この5年で色々ありましたね。私生活では結婚やら引っ越しやら第一子誕生などありましたが、ようやく生活に慣れ始め、身の回りも落ち着いてきました。今後は執筆に集中して刊行ペースを上げていければ良いなと思っています。時間がとれるようになったことで、アホエロダンジョンをさらに強化出来ればなと密かに思っています。

 

マジカル★エクスプローラー エロゲの友人キャラに転生したけど、ゲーム知識使って自由に生きる

※シリーズとしても大きな広がりを見せ続けているマジエク

 

 

――そして本作ですが、昨年にはアニメ化企画も発表されました。続報も待ち遠しいところですが、発表された当時の率直な感想をお聞かせください。

 

初めてアニメ化の話をいただいた時は、とても喜んだ記憶があります。記憶があると曖昧になっているのは、実は結構前から話はいただいていたからなんですよね。なので、ようやく発表できたというのが正直な感想でした。もしかしてアニメ化の話が夢だったんじゃないかと思った時もありましたが、夢じゃなかったようです。現時点では、まだアニメのことに関して詳しくはお話できないのですが、順調に進んでいるとだけ皆様にご報告させていただきます。

 

マジカル★エクスプローラー エロゲの友人キャラに転生したけど、ゲーム知識使って自由に生きる

※ファン待望となるアニメ化企画は2023年9月に発表された

 

 

――今後の続報も非常に楽しみですね。アニメには入栖先生もがっつり関わられていらっしゃるのでしょうか。

 

そうですね。脚本会議には参加させていただいて、全監修しております。現時点では各キャラクターの魅力が引き出せている内容になっていると思います。個人的には放送できる限界までチャレンジしてもらいたいですが、どうなるんでしょうかね(笑)。また、アニメオリジナルのダンジョンを私が書き下ろしておりますので、そのあたりも楽しみにしていただければと思います。

 

マジカル★エクスプローラー エロゲの友人キャラに転生したけど、ゲーム知識使って自由に生きる

※作中でも様々なダンジョンが描かれてきたが、アニメオリジナルダンジョンも仕込まれているそう

 

 

――それでは、ここからはシリーズを振り返っていけたらと思うのですが、前回のインタビューより、各主要キャラクターたちが生徒会、風紀会、式部会の三会いずれかへ所属することになりました。また、第6巻で描かれたラジエルの書の戦い、第9巻で描かれたカトリナの闇堕ちイベントは、非常に大きな山場でしたよね。

 

三会所属やカトリナも大きなイベントでしたね。ただ、あらためて振り返ってみると、特に思い出深いのは第3巻だったりするんです。ソロで40層という学園生にとってはあり得ないことを成し遂げた瀧音幸助ですが、彼がその過程で成長したのと同時に、入栖も作家として大きく成長できた箇所だと思っています。

 

マジカル★エクスプローラー エロゲの友人キャラに転生したけど、ゲーム知識使って自由に生きる

※学園でひとつの偉業を成し遂げた瀧音幸助

 

この経験があったからこそ、瀧音はラジエルの書と戦う力を得て、自分もラジエルの書という一大イベントを書くことができる力を身につけたと思っています。自分の心情を吐露すると、もともとこの二つは第1巻を書き始めた時点で絶対に書くと決めていたイベントで、必ず盛り上げたいと思っていたシーンでもありました。なので執筆の上ではプレッシャーも非常に大きかったんです。でもうまく彼らが成長し、そして攻略してくれてほっと息をついたのを覚えています。

 

マジカル★エクスプローラー エロゲの友人キャラに転生したけど、ゲーム知識使って自由に生きる

※ラジエルの書との戦いは世界崩壊というバッドエンドとの戦いでもあった

 

 

――作品内のキャラクターたちだけでなく、ご自身も執筆をしながら成長してこられたと。他に印象的なエピソードはありますか。

 

ちょっとアレな方面で思い出深いのは、第7巻のアマテラス女学園ですね。このエピソードはどんなに担当編集さんに拒否をされても、絶対に書いてやると決めていて、第1巻に伏線を投げてたイベントになります(笑)。個人的には一番笑える話だと思っていて、お気に入りのエピソードですね。

 

マジカル★エクスプローラー エロゲの友人キャラに転生したけど、ゲーム知識使って自由に生きる

※この独特なストールを見れば少女の正体はわかるはず

 

 

――ありがとうございます(笑)。また、本作のシリーズ累計が70万部を突破しました。反響などについてはどのように感じてらっしゃいますか。

 

本当に嬉しいです。皆様の応援のおかげです、ありがとうございます。ただ、レビューとかはたまに見たりしているんですが、SNSをあえてあまり見ないようにしていることもあって、反響をあまり知らないというか、どんな反応になっているかわからないんですよ(笑)。反響を知る以外にも利点は様々あるので、絶対にSNSを活用した方がいいのは理解しているんですが、眺めているだけで時間が吸われていってしまうので……。執筆時間との兼ね合いを考えると、悩ましいですね。

 

 

――では続いて、前回のインタビューでも触れていただいてはいましたが、瀧音幸助というキャラクターについて解説いただいてもよいでしょうか。ストーリーが進むほどに、彼がもともと持っていたこのゲーム世界を愛する姿勢が、どんどん強くなっているように感じます。

 

瀧音幸助はマジエクのキャラクターや世界を、心から愛している人間です。瀧音はゲームの世界にやってきて、皆と生活、そして交流するうちに、周囲の人間を守りたいという気持ちがどんどん大きくなってますよね。それは彼の行動にも表れていて、自分がどんなに大変だろうと、傷つこうともヒロインの幸せのために危険な訓練をしたり、身を挺して彼女たちを守っています。瀧音の考え方や行動は、今後もぶれることはないでしょう。ただ、アホエロダンジョンだけは頑張ってもどこかで失敗するんですが(笑)。

 

マジカル★エクスプローラー エロゲの友人キャラに転生したけど、ゲーム知識使って自由に生きる

※瀧音のゲーム愛やヒロイン愛は巻を増すごとにどんどん強くなっていく

 

 

――そんな瀧音が関わっていくキャラクターも、かなり増えましたよね。個人的にはギャビーがお気に入りだったりするのですが。

 

ありがとうございます(笑)。確かにキャラは増えましたね。増えすぎて描写しきれず、泣く泣くイベントをカットするぐらいに……。本当はあまり触れていない三会メンバー全員を詳しく書きたい気持ちもあるのですが……。

 

 

――では本編ではなかなか詳しく書かれていない、三会の会長職3人について、少し踏み込んで紹介していただいてもよろしいでしょうか。

 

マジカル★エクスプローラー エロゲの友人キャラに転生したけど、ゲーム知識使って自由に生きる

 

わかりました。まず風紀会の会長でもある聖女ステファーニアです。本作を読んでらっしゃる方はご存知かと思いますが、彼女は裏表のある性格です。聖女としての顔もありながら、裏では態度が悪く、面倒くさがりでもあります。決して悪い人間ではないのですが、だいぶ胸のサイズを気にしている様子で、そのことを揶揄するとブチギレます。友好関係は狭く、三会関係者以外に仲の良い人はほとんどいません。同じ法国のベニートやギャビーとは旧知の仲で、特にベニートはステファーニアの可哀想な境遇をよく知る人物です。瀧音以外だとベニートが一番ステファーニアのことをよく知っています。そんな彼女の境遇で色々あるのですが、楽しみにしていただけたらなと思います。場合によってはかなり先になってしまうかもしれませんが……。

 

続いては式部会の会長であるベニート卿です。彼は法国の貴族で、その中でもかなり位の高い地位にあるエヴァンジェリスタ家の長男です。後々家を継ぐ予定となっていて、超天才として法国内でも有名です。聖女ステファーニアと昔から交流しているのは家の影響と、本人の有能さがあってのことですね。また、エヴァンジェリスタ家は法国で重要な役割を持っており、ベニートはそれについても詳しく知っています。それは彼が大きな決断をする理由の一つになることでしょう。学園内でベニートをよく知る三会のメンバーからはリスペクトされていますが、一般生徒からは式部会の会長ということもあって、死ぬほど嫌われています(笑)。ただ本人は嫌われることに対してあまりなんとも思っていないですね。そして彼には妹、ガブリエッラがいるのですが、ベニートは妹をすごく可愛がっており、何かあったら妹を助けたいと常々思っていました。ガブリエッラは普通に優秀な子なんですが、あまりにもベニートが天才すぎたため、彼と比較されてきてしまいました。既刊をご覧になった方はわかると思いますが、それでイベントも起こっています。今後エヴァンジェリスタ家の事も物語に出てくるので、楽しみにしていただければなと思います。

 

最後に生徒会長のモニカですね。彼女は帝国の貴族で、学園の生徒の中で最強です。一年時から頭角を現しており、様々な記録を作っています。ツクヨミダンジョンの最深部到達記録保持者のひとりでもありますね。彼女は天才中の天才で、同じく天才と位置付けられているベニートですら彼女の才能と実力には及びません。その彼女は能力もそうですが、人望、カリスマ性もあります。学園内では憧れの人第一位となっていますし、転生する前の瀧音が日本にいた時に、ゲームの人気投票でも何度も一位に輝いている人気キャラクターでした。まだ確定していなかったり、今後変更するかもしれない設定もあるので詳しくは話せませんが……剣を持っているのに三強でなぜ「魔」の肩書をもつのかも、いずれわかるでしょう。

 

 

――三会のトップはいずれも魅力的なキャラクターなので、今後の展開や活躍も楽しみです。第11巻も含めて、注目してほしいキャラクターがいれば教えてください。

 

第11巻では結花やアネモーヌが活躍してくれます。またいろんな意味でルイージャ先生も頑張ってくれるので期待していただければと思います。今後を考えると、ギャビーも含めほとんど全員に頑張ってもらうことになります。ですので全員に注目してほしいですね。その中でも特に盛り上がるイベントになるのではないかと予想をしているのは、聖女ステファーニア、生徒会長モニカ、アマテラス女学園の「とある人」あたりです。伊織も注目株ですね。

 

マジカル★エクスプローラー エロゲの友人キャラに転生したけど、ゲーム知識使って自由に生きる

※第11巻のルイージャ先生の頑張り具合が気になるところ

 

 

――ありがとうございます。また、あくまで現時点という前置きの上で、キャラクターの強さランキング上位3名を教えていただきたいです。

 

よく出てくるキャラでは桜瑠衣(本気)、花邑毬乃、花邑はつみです。特に本気の桜はゲームを周回して強化しまくったパーティがようやく対等に戦えるレベルの強さと考えていただければなんとなく想像できるかと思います。

 

マジカル★エクスプローラー エロゲの友人キャラに転生したけど、ゲーム知識使って自由に生きる

 

マジカル★エクスプローラー エロゲの友人キャラに転生したけど、ゲーム知識使って自由に生きる

 

マジカル★エクスプローラー エロゲの友人キャラに転生したけど、ゲーム知識使って自由に生きる

※登場頻度の多いキャラクターでのTOP3はこの三人

 

 

――ちなみに強さにおける瀧音の立ち位置としてはどのくらいになるのでしょうか。

 

現在の瀧音の強さは普通の学園生には勝てます。「三会の中で」も知りたいかと思いますが、詳しくは作品を読み進めていただければ……。いずれ誰かしらと戦う時が来るので……!

 

 

――入栖先生が第11巻までに登場しているキャラクターの中で、特に気に入っているキャラクターを教えてください。

 

初期からルイージャ先生が好きです。面白いし優しいし素敵な先生です。ただしだまされやすくて借金があります。あとは結花が想定以上に頑張ってくれているおかげで、ネタ的な意味で非常に助かっていますね。ベニート卿も元々格好いいキャラにしようと書いていましたが、想定以上に良くなってしまったような気がします(笑)。

 

マジカル★エクスプローラー エロゲの友人キャラに転生したけど、ゲーム知識使って自由に生きる

※入栖先生お気に入りのルイージャはすぐにだまされて借金をこしらえる能力が!?

 

 

――ありがとうございます。これまでのダンジョン攻略のご褒美シーンで、最も力を入れた会心のダンジョンを選ぶとしたらいかがでしょう。

 

アホエロダンジョンにおいては常に全力を尽くしているので全部ですね。冗談抜きで自分の出せる限界まで絞り出してます。最近はそのシーンを書くだけで体重が2、3キロ減るぐらい追い詰められます(笑)。ただ、一つお気に入りをあげるならメスガキダンジョンでしょうか。

 

マジカル★エクスプローラー エロゲの友人キャラに転生したけど、ゲーム知識使って自由に生きる

※ダンジョンのご褒美シーンは様々なシチュエーションを見られるエロコメパート

 

 

――シリーズとしても二桁巻へ突入しており、作品・物語へのテーマやコンセプトに変化などはありましたか。

 

基本は変化していません。ただキャラが増えすぎたことで、やりたかったイベントをすべて書いていられない状況になっています。そのためもしかしたら初期想定とは少し違う感じになる可能性はあるかな、と思っております。

 

 

――それでは発売された第11巻の内容や見どころについて教えてください。

 

結花、伊織の過去。そしてアネモーヌの秘密が分かる一冊となっています。またアネモーヌがメインとなっていることもあり、エロギャグが普段より少し多めかもしれません。またかなり強めのボスが出現しますが、それを倒すシーンも面白いのではないかと思っています。実はですが、今回の巻の伏線を第4巻で投げていたりもします。数年前の伏線なんて覚えていない方がほとんどだとは思うのですが、少し読み返してみるのもありかもしれませんね。

 

マジカル★エクスプローラー エロゲの友人キャラに転生したけど、ゲーム知識使って自由に生きる

※明かされる聖兄妹の過去

 

 

――現在はアニメ化も進行している本作が執筆活動の中心だと思いますが、新作への意欲などはいかがでしょうか。

 

色々と書きたすぎて発狂しそうです。ただ時間がない。それにもし時間があるならマジエク外伝的な感じで、メイド部隊にフォーカスした作品や影が薄いキャラたちを中心にしたものを優先的に書きたいですね。それでも時間がある、精神と時の部屋状態だったらスノボの小説が書きたいです。スノボが好きというのもそうなんですが、ウインタースポーツ人口がどんどん減っている現状をなんとかしたいという思いもあります。家の近くのスキー場が潰れでもしたら非常にショックを受けるのは想像に難くありません。と、散々綺麗事を言いましたが、経費でスノボ用品を買えれば、お金の節約になるという理由もあります(笑)。ただこの作品はラノベよりも漫画の方が相性は良いかもしれないなと思ったりもしています。ほかにもミステリー系とか人間失格のような重めのテーマのものも書いてみたいです。実は面白い設定やギミックを思いついてはいるんですが、マジエクに入れるには……という内容が多いので。時間に余裕があれば、本当に書いてみたいですね。

 

 

――最後にファンのみなさんに向けてメッセージをお願いします。

 

ここまで出版できているのは皆様の応援のおかげです、ありがとうございます。次巻やアニメも全力で対応しておりますので、お待ちいただければ幸いです。

 

 

――本日はありがとうございました。

 

 

エロゲ「マジカル★エクスプローラー」の世界に入り込み、世界のため、そしてヒロインたちのために全力を尽くし続ける友人キャラの物語を綴る入栖先生にお話をうかがいました。作品としても二桁巻へと突入し、アニメ化企画も進行中。世界もキャラクターも広がり続け、ますます目が離せない『マジカル★エクスプローラー エロゲの友人キャラに転生したけど、ゲーム知識使って自由に生きる』は必読です!

 

 

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<取材・構成:ラノベニュースオンライン編集長・鈴木>

 

©入栖/KADOKAWA スニーカー文庫刊 イラスト:神無月昇

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