独占インタビュー「ラノベの素」 白井ムク先生『双子まとめて『カノジョ』にしない?』
独占インタビュー「ラノベの素」。今回は2025年12月19日にファンタジア文庫より『双子まとめて『カノジョ』にしない?』第6巻が発売された白井ムク先生です。勘違いをきっかけに双子姉妹の両方とお付き合いをすることになる公認ハートフル三角関係ラブコメディを描いた本作。各キャラクターの背景や双子姉妹がヒロインのラブコメだからこそ描けるシチュエーションなど、様々にお話をお聞きしました。

|
【あらすじ】 「付き合って半年ですし…ちょっと特別な思い出作りません?」宇佐見姉妹との冬休みはイベント尽くし!柚月や茜たちと行くスキー旅行(お約束なハプニング続出!?)、クリスマスや初詣でのお願い事、風邪をひいて看病したり、されたりーー距離の近いいつものじゃれ合い……かと思いきや!?「お部屋、とってあるんだ~♪」「私…もう我慢できません!」ついに3人の関係が、一線を超える!?そんな、咲人の「覚悟」が問われる事件の影で、もう1つの大イベントも迫っていた。それは、宇佐見姉妹の父とのご挨拶! ついに出会うお義父さんに何を話すのか――咲人、シリーズ最大の見せ場がここに! |
――それでは自己紹介からお願いします。
白井ムクと申します。2021年デビューですので、作家としては5年目を迎えました。出身は岩手県の盛岡市で、現在は滋賀県の甲賀市に住んでいます。これといった趣味はないのですが、小説を書くことは飽きずに続けられているので、物語を考えたり書いたりするのが好きなんだろうなと思います。
――白井ムク先生は同人活動もされていますし、本当に創作活動がお好きなのだろうなと感じていたのですが、そもそも小説を書き始めたきっかけは何だったのでしょうか。
きっかけは、大学時代に亡くした親友の存在です。彼が亡くなった当時は、あまりのショックでしばらく何も手につかない状態でした。そんな日々が続いていたんですが、就職して仕事に打ち込むうちに、少しずつ気力を取り戻すことができたんです。やがて仕事もひとつの区切りがついた頃、「次はなにをしようか」と考えた際、ふと浮かんできたのが親友の顔でした。実は彼、亡くなる直前まで作家を目指していたんです。そのことを思い出した時、「親友が叶えられなかった夢を追うのもいいんじゃないか」と思い立ちました。そこで、彼が使っていた「ムク」というペンネームをいただいて、小説を書き始めたのが始まりになります。
――ご友人の夢を継承するという大きな決断をされたわけですが、そこからデビューまではどのような道のりでしたか。
デビューまでは2年ほどと、期間だけならそこまで長くはないのですが、その間に作風はガラリと変わりました。執筆を始めた当初は純文学寄りの文体でしたし、ストーリーもフランツ・カフカの『変身』のような理不尽で救いのないものが多かったんです。転機になったのは、当時の同僚からの言葉でした。その同僚は大変な読書家で、僕が「仕事を辞めて小説家になりたい」と打ち明けると、応援の意味も込めて作品を読んでくれたんです。その時にもらったアドバイスが、「多くの読者が求めているのはハッピーエンドだ。だからみんなが望む幸福を描くべきだ」というものでした。その一言で、自分の中の方向性が定まった気がします。
――確かに、デビューから現在に至るまで一貫して明るいラブコメディを執筆されていますよね。
僕にとってラブコメディは、言葉の通り「愛」と「笑い」を描く物語なんです。誰かを愛することや人を笑わせることって、人間の幸せに直結するものだと思います。そうした「幸福」を物語として描くことで、読者の方が普段の生活で感じている息苦しさや閉塞感に寄り添ってあげたいんです。僕の小説を読んで笑顔になってもらえたら――そんな思いでラブコメディを書き続けています。
――読者を楽しませたい一心で作品を書いてこられたのですね。白井ムク先生は今年でデビューから5年目ということでしたが、これまでの作家生活を振り返って印象に残っていることはありますか。
やっぱり、読者の方に直接お会いして、感想をいただけたことでしょうか。講演会やサイン会などで各地に行く機会があるのですが、そのタイミングで読者の方とお話することが何度かあって。小説を書く時って、「誰を対象にした物語なのか」を考えるんですけど、どうしても相手の顔がぼんやりとしか浮かばないことが多いんです。でも実際に自分の作品を読んでくれた方が、笑顔で感想を語ってくださる姿を見た時、「ああ、このために小説を書いてきたんだな」としみじみと感じました。
――そうした読者の方々の熱い支持を受けて、『双子まとめて『カノジョ』にしない?』はシリーズ累計15万部を突破するなど、大きな盛り上がりを見せています。白井ムク先生は本作のどういった点が読者の心に刺さっているとお考えですか。
刺さるというより、じんわりと心に染みていくタイプの作品なのかなと思っています。以前、読者の方から「ファミレスのドリンクバーで飲むメロンソーダのような作品」というコメントをいただいたのですが、それがとてもしっくりきたんです。強烈な刺激はないけど、炭酸の心地よいのど越しがあって、どこか懐かしくて安心できる味というか。そういう優しさみたいなものを、この作品を通して受け取ってもらえているのかなと思っています。
――ありがとうございます。それでは第5巻までを振り返りながら『双子まとめて『カノジョ』にしない?』がどのような物語なのか教えてください。
本作は主人公の高屋敷咲人が宇佐見千影と光莉の双子姉妹とお付き合いする物語です。事の発端は、咲人が千影と光莉を同一人物だと思い込んでいたことでした。そのせいで、自分に告白してくれた千影に返事をするつもりが、誤って光莉に気持ちを伝えて、キスまでしてしまうんです。やがて咲人の勘違いが発覚するのですが、同時に二人とも咲人のことが好きだと判明しまして。そんな中、光莉から出た「双子まとめてカノジョにしない?」という大胆な提案をきっかけに、三人の恋愛関係がスタートすることになります。

※咲人は誰も不幸にならない選択として、千影と光莉の両方と付き合うことに
――主人公がヒロイン二人を相手にするとなると、どうしても複雑な三角関係が浮かびますし、同時に付き合うのは「不純」といった印象になりがちだと思います。でも、咲人たち三人を見ていると、そうした湿っぽさはなく、むしろ恋人同士という枠を超えた強い「仲間意識」を感じました。
実はこの作品、第1巻から裏テーマとして「ポリアモリー」という概念を取り入れています。これは「関係者全員の合意のもとで、複数のパートナーと同時に誠実な恋愛関係を築く」というもので、いわゆる浮気や二股のような「不純」とは明確に異なる「純愛」なんです。お互いを尊重し、隠し事をせず、どうすればこの関係を維持できるかを三人で模索していく。こういった積み重ねがあるからこそ、独特の結束力や仲間意識が生まれるのだと思います。ただ、自分たちは誠実に向き合っていても、世間からは理解されないかもしれない、という不安は彼らの中に常にあります。それでも三人で歩んでいく姿を、この物語では描いていきたいです。

※いつまでも幸せな関係を続けたい……そう願いながら三人は日々を過ごしていく
――そう考えると、光莉の「双子まとめてカノジョにしない?」という提案や、それを飲んだ咲人や千影の決断はかなりの勇気が必要ですよね。
そうですね。第1巻を執筆する際、咲人が二人と付き合うまでの展開をどう描くかは、本当にいろいろ考えました。本作では第1巻の中盤で双子であることが明らかになるのですが、作品によってはもっと早い段階でヒロインと結ばれてイチャイチャ展開に入るものも多いと思います。ただ、この作品の場合、序盤から三人が付き合い始めると、どうしても不純な関係に見えてしまうんです。だからこそ、第1巻前半でヒロインとの交流や勘違いをきちんと描く。そうすることで、「双子まとめてカノジョにする」という決断に説得力を持たせようと考えました。
――宇佐見姉妹とお付き合いするまでの展開を描くのに苦労されたとのことでしたが、咲人が二人と付き合い始めてからを描く際はどのような点を意識されましたか。
咲人が付き合い始めてからは、特に千影と光莉をどう差別化するかを意識しました。世の中の双子ものって、髪形や髪色など分かりやすいビジュアルの差がある作品が多いと思います。その一方で千影と光莉にはそういったものがほとんどありません。物語が「勘違い」から始まる以上、ビジュアルに大きな差を作るわけにはいきませんからね。そこで意識したのが「個人の持つリズム」でした。
――リズム、ですか。
はい。ちょっと抽象的な表現になりますが、千影は「大和撫子」のようにゆったりとしたリズム、光莉はどちらかというと「ラテン系」のノリなんです。リズムが変わると、生きる速度感や、立ち止まる場所、心が揺れるタイミングなどにズレが生まれるかと思います。そうした内面のズレを描くことで、恋愛にも奥行きが出るように心がけました。ビジュアルに頼れない分、内面をどう立ち上げていくかは、やっぱり考える部分も多かったですね。

※咲人に積極的に悪戯を仕掛ける光莉とおよび腰な千影からも、二人のリズムの違いが垣間見える
――難しさの反面、双子姉妹とのラブコメだからこそ描けた「美味しいシチュエーション」もあったかと思います。特に印象に残っているシーンはありますか。
第2巻の「光莉がいるすぐ横で千影とキスをして、それが終わると今度は、千影が待っている横で光莉とイチャイチャする」というシチュエーションです。いうなればスキンシップを交代制で行うシーンなのですが、2対1なのでどうしてもヒロインのどちらかが「おあずけ」を食らってしまいます。でも、この「待たせている」という構図が、1対1では味わえない独特の背徳感とドキドキを生み出すんですよね(笑)。あとは、ヒロイン二人と一緒に「三人でロッカーに隠れる」というシーンがあるのですが、ここも画的なインパクトもあって魅力的だと思います。

※一人を待たせてもう一人とイチャイチャ、そんな背徳感のあるシチュエーションも大きな見どころ
――シチュエーションとは違いますが、物語の合間に挟まれる姉妹だけのやり取り「ツイントーーク!」も双子姉妹とのラブコメだからこそできるユニークな仕掛けですよね。
ありがとうございます。双子なので、千影と光莉は同じ家に住んでいるわけじゃないですか。そうなると当然、家に帰って顔を合わせた時に「今日のデートどうだった?」みたいな反省会や相談が始まると思うんです。そういった、生活の一部として自然に発生する「二人だけの会話」をこっそり覗き見できるのは、この「ツイントーーク!」の醍醐味ですね。

※同じ家に住む双子だからこそ生まれる、ヒロイン同士の自然な会話にも注目してほしい
――ありがとうございます。続いてなのですが、あらためて本作に登場するキャラクターについてお聞かせください。主人公の高屋敷咲人は勉強も運動もそつなくこなす一方で、時々どこか掴みどころのない雰囲気をまとっているようにも感じました。実際のところどのようなキャラクターとして咲人を描いているのでしょうか。
高屋敷咲人は非常に高い記憶力を持っていて、IQも飛び抜けている、いわゆる天才キャラです。こう聞くと「いいことばかりじゃん」と思われるかもしれないんですけど、実は非常に繊細で、ある種の生きづらさを抱えています。彼は記憶の仕方が少し特殊で、見たものや聞いたものをすべて録画するように覚えることができます。ただその反面、忘れたい記憶まで強く残ってしまうんです。同時に咲人は非常に共感性が高い子でもあります。周りの誰かが悲しんでいると、その感情が自然と自分の中に入り込んでしまうところがあって……そこも咲人の感じる生きづらさにつながっていると思います。

※天才ゆえの生きづらさを抱える咲人だが、その能力が活きる場面も随所に見られる
――突出した才能と感受性が、かえって咲人自身を追い詰めてしまっている部分もあると。
そうですね。咲人が幼少期に「感情を抑圧する」という生き方を選んだのも、自分の心を守るためでした。相手に対してどう向き合えばいいのかを考え、その時々で最適なパターンを選択する。成績優秀なのにわざと点数を低く調整したり、自らを「モブ」と称したりするのも、「出る杭」にならないという彼なりの処世術です。ただ、そうやって表面上は器用に立ち回っていても、内側では常に無理をしているんですよね。そんな咲人が、宇佐見姉妹と出会い、二人と向き合う中で少しずつ感情を取り戻していく。ロボットのような状態から、人間らしい心を得ていく。その過程も、この物語の大きな軸になっています。
――つまり、咲人の生き方を変えたのが千影と光莉というわけですね。二人のメインヒロインについてもそれぞれご紹介いただけますでしょうか。
妹の宇佐見千影は、端的に言うと「天性の努力家」です。彼女は生まれた時から隣に天才肌の姉がいて、どうしても比べられてしまう環境でした。だからこそ、負けたくない一心でコツコツ努力してきましたし、そういう愚直な部分が今の千影を支えているんだと思います。あと、表向きは真面目ですが、ムッツリといいますか、妙に想像力が豊かなんですよね(笑)。時折、妄想が暴走する場面もあるんですが、そこもまた可愛いところです。

※真っすぐで、どこまでもひたむきな妹・宇佐見千影
一方で姉の光莉は、明るくて自由奔放な天才肌に見えますが、実は咲人と似た「繊細さ」を持っています。思いつきで動いているように見えて、周囲の空気やバランスに誰よりも敏感なんです。ただ、ふとした瞬間に危うさや影が垣間見える時もあります。甘えたがりで、「愛されたい」という気持ちが強い子でもあって、明るさと繊細さが同居しているところが、光莉の魅力だと思います。

※天才肌だが、甘えたがりで咲人へのスキンシップも多めの姉・宇佐見光莉
――キャラクターでいうと、咲人、千影、光莉の関係性に待ったをかけるサブヒロインたちも非常に魅力的で、特に咲人の幼馴染・草薙柚月は印象的でした。咲人から「俺にとって大事な幼馴染だ」と言われた際に放った、「幼馴染って、そんなに特別じゃないよ」という一言は、幼馴染という立場から前へと進めない柚月の悲哀が感じられて、強く心に残っています。
ありがとうございます。僕の中では柚月ってヒロインになれなかったヒロインっていう立ち位置なんですよ。本来なら幼馴染として一番近くにいて、順当にいけば結ばれていたかもしれない。そんな未来が、中学時代のとある出来事によって、大きくズレてしまったんですよね。でも、彼女をただの負けヒロインにするつもりはありません。この物語にとってかけがえのないヒロインであることは、最終巻までにお見せしたいなと思っています。柚月に関してはひとつ重要な伏線を残していますので、今後の展開にも注目してほしいです。

※中学生まではいつも咲人の近くにいた幼馴染・草薙柚月
――続いてイラストについてお聞きできればと思います。本作のイラストは『じつは義妹でした。』に引き続き千種みのり先生が担当されています。これまでを振り返って印象的なイラストを教えてください。
千種みのり先生のイラストはどれも素晴らしいのですが、まず挙げたいのは第2巻のカバーイラストです。室内で制服姿だった第1巻とは打って変わり、背景は青い海ですし、二人の私服姿も相まって、開放的で爽やかなんですよね。「これからこっそり遊びに行こうか」という、デートの雰囲気が伝わってくる素晴らしい一枚だと思います。実はこの海のシーン、第2巻には登場しないんですよ。だからこそ、彼らの明るい未来を暗示しているようでワクワクさせられました。もうひとつは第3巻のカラー口絵です。「海の家」でのワンシーンなんですが、猫耳にエプロン、そして水着で働いているという、まさに「ラブコメしてるな!」っていうイラストだと思います(笑)。ドタバタした日常というか、彼らの青春の1ページが鮮やかに切り取られていて、見ているだけで明るい気持ちになれます。


※白井ムク先生が特にお気に入りだと語るイラスト
――私個人としては、第5巻に収録されているデートの待ち合わせをする坂本茜を描いた口絵も印象的でした。第4巻を読んでいた時はツンツンしたキャラクターの印象だっただけに、女の子らしい私服姿で登場した時のギャップにはグッとくるものがありますよね。
わかります、可愛いですよね(笑)。坂本茜は、宇佐見姉妹が二人で束にならないと勝てないようなライバルとして描いています。彼女はよく食べるし、アクティブだし、一緒にいたら絶対に楽しいタイプだと思います。そうした彼女の「カノジョとしてのポテンシャル」が詰まっていて、僕も気に入っている一枚です。

※第4巻から登場し、宇佐見姉妹を大いに警戒させることになる坂本茜
――ありがとうございます。また本作は飴色みそ先生によるコミカライズも大きな人気を博しています。コミカライズ版の見どころやお気に入りのシーンなどを教えてください。
漫画版を読んで感じたのは、登場人物たちの息遣いを感じられる漫画に仕上げていただいたな、という事でした。間の取り方や表情の描き方がとても丁寧なんです。その中でも特に印象に残っているのが、コミックス第1巻の千影が咲人を中庭へ呼び出すエピソードです。咲人から「君のことをもっと知りたい」と言われた時の反応や、連絡先を交換する時のやり取りも素晴らしいのですが、何より「よかったら駅まで一緒に帰らないか」と誘われた時のあの一瞬。好きな人に「一緒に帰ろう」と言われた喜びで、まるで世界が一変したかのような表情を見せてくれるんです。このシーンを読んだ時に、コミカライズについて僕から口を挟む必要はまったくないな、と思わされました。

※コミックで白井ムク先生が特に印象に残っていると語る一幕(コミカライズ版の連載はこちら)
――続いて発売された第6巻の見どころや注目してほしいポイントについて教えてください。
第6巻は冬のイベントをぎゅっと詰め込んだ巻になっています。柚月や茜たちと一緒に旅行に行くエピソードや、風邪をひいて看病し合うお話、クリスマスに初詣……と盛りだくさんです。そんな中でも、咲人が宇佐見姉妹のお父さんと対面するエピソードは大きな山場となっています。父親の目の前で、秘密の交際をしている三人がどう立ち回るのか。その緊張感を楽しんでいただけると嬉しいです。また今回は、僕がずっと描きたかった「幸福のカタチ」が、クリスマスの日に一つ提示されます。咲人の「記憶」に関する重要なキーワードも散りばめられており、物語の結末に向けての弾みとなる巻でもありますので、ぜひ注目していただきたいです。

※晴れ着姿の初詣をはじめ第6巻は冬のイベントが盛りだくさんとなっている
――今後の目標や野望について教えてください。
正直なところ、大きな野望があるわけではないんです(笑)。派手なことがしたいとか、世の中を変えたいとか、そういうタイプではなくて。ただ、僕の物語が誰かのしんどさを少しでも軽くして、「ああ、明日も生きてみようかな」と思えるきっかけになれるなら、それが僕にとって何よりもうれしいです。人が安心できるのは、自分を受け入れてくれる居場所がある時だと思います。だからこそ、これからも読者の方にとっての心の拠り所になれる物語を書き続けていきたいです。
――そんな白井ムク先生ですが、新作の準備も進められているそうですね。
新作も千種みのり先生とタッグを組んで制作を進めています。また「勘違いから始まるラブコメディ」になる予定ですが、おそらく今の僕にしか書けない物語になっていると思いますので、楽しみにしていただきたいです。『双子まとめて『カノジョ』にしない?』第6巻の巻末にちょっとした予告ビジュアルも載せていますので、ぜひチェックしていただければと思います。
――最後に、第6巻を楽しみに待っていたファンの方々、そしてこれから本作を読んでみようと考えている方へ向けてメッセージをお願いします。
まずは第6巻をお待ちいただいていたファンの皆様、お待たせいたしました。今回は冬のイベントをたっぷりと詰め込んだ、贅沢な構成になっています。僕自身、とても納得のいく出来栄えになりましたので、ぜひ登場人物たちと一緒に、冬の季節感を感じながら楽しんでいただければ幸いです。そして未読の方へ。最初は気軽な気持ちで手に取ってみてください。入り口は双子姉妹とのラブコメですが、読み終えた頃にはきっと心に温かいものが残るはずです。皆様の毎日にそっと寄り添える一冊になれたら幸いです。
――ありがとうございました。
<了>
勘違いをきっかけにお付き合いを始めることになった咲人、千影、光莉の秘密の恋愛関係を綴った白井ムク先生にお話をうかがいました。三人でのイチャイチャシーンはもちろん、三人なりの幸せを育んでいくひたむきな純愛も魅力の本作。彼らの関係性の行き着く先はどこなのか、今後の展開からも目が離せない『双子まとめて『カノジョ』にしない?』は必読です。
<取材・文:ラノベニュースオンライン編集部・宮嵜/鈴木>
©白井ムク/KADOKAWA ファンタジア文庫刊 イラスト:千種みのり

[関連サイト]
シェアする