独占インタビュー「ラノベの素」 『老後に備えて異世界で8万枚の金貨を貯めます』より声優・長江里加さん(山野光波役)
独占インタビュー「ラノベの素」。今回は2023年1月7日(土)より放送開始となるKラノベブックス発のアニメ『老後に備えて異世界で8万枚の金貨を貯めます』より、声優の長江里加さんです。FUNA先生が原作を担当する本作のTVアニメ放送に先駆け、天涯孤独の身になるも世界間転移によって人生が一変することになる山野光波役の長江里加さんに、作品やキャラクターに対する意気込みや見どころについて語っていただきました。
【イントロダクション】 18歳でありながら中学生に見られてしまう童顔小柄な少女・ミツハが両親と兄を事故で失い天涯孤独になるところから物語が始まる。ショックによる大学受験失敗、両親の保険金を狙う輩、進学か就職か、家の維持費や生活費など数々の出費…これからの生活に悩んでいたミツハはある日、謎の存在から「こちらの世界」と「異世界」を“行き来”できる能力を与えられる!そこから彼女が思いついた将来設計とは、二つの世界で10億+10億の合計20億円<8万枚の金貨>を貯めるというもの!そう、頼れる者のいない彼女の安泰な老後のために! |
――本日はよろしくお願いします。まずは原作を読んだ際の率直な感想からお聞かせいただけますでしょうか。
最初に思ったのは、この物語はミツハの物語だということでした。家族全員を失ってしまうという衝撃の展開から物語は始まるのですが、そこから始まるミツハの人生を追いかけていく物語なんだと思っています。もちろん暗いお話というわけではなく、ギャグも出てくればツッコミもたくさんあって、とにかくミツハはいろんなことを考え続けている忙しい子という印象も強かったです。私は普段、本や漫画を読まないんですけど、一気に引き込まれました。
――原作はオーディションが決定した際に読まれたんですよね。
そうですね。ミツハ役としてオーディションを受けることが決まってから読みました。読み始めてからはオーディションの存在を忘れるくらい入り込んで読んでいたと思います。ミツハはまだまだ若いのに老後のことまで人生設計を考えていて、老後に必要なお金はどのくらいか、そのお金を貯めるにはどうしたらいいか、全部自分で考えていて、本当に18歳なのかなって(笑)。私自身がこれまで一度も考えたことのないようなことばかりを考えているので、ミツハから受けるいろんな知識や考え方には圧倒されることが多かったです。読み始めたら朝になっていたり、オーディションをあらためて意識して読み直してみたり、こんな作品に関われて、ミツハを演じることができたらすごく幸せなことだなと思ってオーディションを頑張りました(笑)。
――本作を読んで、ミツハの知識や行動に感化されたりはしましたか。
ミツハは大人の第一歩というわけではないですけど、人によって対応の仕方を変えたり、忖度ができる子なんですよね。でも自分の伝えたいことはしっかりと意思表明をしているし、すごく世渡り上手だと思うんです。私はどちらかというと、まだまだ精神的にも子供で、本当にマイペースだし、言いたいこともすぐ言っちゃう。ミツハは年下なのにしっかりしていてすごいなと思いました。なので、そんなミツハを私が演じられるのかなという不安は最初ありましたよね。もっとしっかりしなくちゃいけないなって(笑)。
――不安を抱えながらも、実際にミツハを演じてみていかがでしたか。
最初はとにかく台詞の量が多いので、かなり緊張しながら演じていたんですけど、監督さんからは硬いですよって言われたりもしていました。そこからはとにかく楽しんでミツハを演じようと切り替えて、自然とミツハを演じられるようになっていったので、自分自身も成長していると感じながら話数を重ねることができています。
――台詞量が多かったというお話もありましたが、ミツハを演じる上での面白さや難しさ、印象に残っていることがあれば教えてください。
私はこれまでギャグな日常を描いた作品に出演させていただくことが多かったんですよね。なので、ミツハからたまに飛び出す関西弁やツッコミ、あとは美少女らしからぬちょっとした下品な言い回しだったりは、楽しく面白く演じさせてもらっています。一方でそういったシーンとは異なる、少しシリアスで真面目なシーンは、演じた経験も少なかったので、自宅で自分の声を録音し、真面目に聞こえるかな、悲しんでいるように聞こえるかなと、準備や研究はかなり重ねました。そういったところを含めて、演じることの面白さや楽しさだと思っています。難しさの面で挙げると、最初に人生の絶望の淵にミツハは立たされてしまいますけど、物語としては人生を楽しんで歩んでいくというお話です。シリアスなシーンがあっても楽しくなれるよう演じてほしいと言われ、その塩梅が難しかったですね。ただ、先ほども言ったように、そういった苦労も含めて演じることの楽しさだと思っているので、正直に言うと難しさはほとんどありません。それこそ本当に、台詞量が多くて大変ってことくらいです(笑)。
※長江さんが演じる主人公のミツハ
――第1話は特に台詞量が多いですよね(笑)。
はい。第1話はキャラクターの登場数も限られているので、会話ではないミツハのひとり語りも多いんです。特に今回の収録では、会話のシーンとモノローグを分けずに一緒に収録しました。誰かに話しかける台詞と、自分の中だけに留める台詞は距離感が違うんですけど、繋げて収録していたこともあって、メリハリの部分でも、頭がこんがらがっちゃう大変さはありましたね(笑)。
――アフレコの際の面白かったエピソード、または印象的なエピソードがあれば教えてください。
基本的に私以外のみなさんが本当に面白くて(笑)。特に福山潤さんは面白くてかつ現場を和ませてくださっていて、さらに私が困っていたら「大丈夫?これはこういうことだよ」って丁寧に教えていただいたりもしました。もう座長は福山さんだって思いましたよね(笑)。
――いやいや、今作の座長は長江さんですからね(笑)。
本当に、それくらい周囲を見て行動してくださっているのがすごいんですよ。まさに先輩とはこういう姿なんだなって思いました。現在はキャラクターも増えたので、なかなか一緒のブースでは収録をしていないんですけど、ミツハのお兄ちゃん役という大事なパートナーでもあって、福山さんのことはすごく印象に残っています。
――あらためて座長として心がけていることがあれば教えてください。
本当だったら福山さんみたいなことができたらいいんですけど、座長をするということにまず慣れていないので……。なるべく普段通りに、自分らしくいられるよう、自分の事だけを考えています。周りのみなさんはご活躍されている方ばかりですので、なんとかしてくれるんですよ(笑)。なので私が号令をかけたりすることもなく、みなさんについていっている感じです。それでも主演ではあるので、立ち居振る舞いは堂々としようと決めていますし、誰かが面白いことを言ったら率先して笑うようにしています(笑)。
――また、同じような質問をいくつも受けているかとは思うのですが、もし手元に金貨8万枚(20億円)があったらどんなことに使ってみたいですか。
おっしゃる通り、いろんなインタビューで同じような質問をいただいていて、結局はいらないって結論になりました(笑)。安易と言われてしまうかもしれませんけど、全額どこに寄付できたらと思います。こんなにあっても困るだろうし、お金をたくさん持っていると絶対に問題しか起きないんですよ! いろんな人の欲望が事件を巻き起こす気がするので、手元にあっちゃいけない金額だと思います!(笑)。
――ありがとうございます。では気を取り直して、第1話の見どころを教えてください。
ミツハが独り身になり、この先どのように生きていくのかというきっかけや決意が詰まった大切な第1話です。この作品タイトルになった理由も、すべて第1話に詰め込まれているので、絶対に見逃してほしくありませんし、この台詞は言うに違いないというみなさんの予想通りに、バシッと言っているはずですので期待してください(笑)。私自身初めての主演ということもありますし、見届けてほしいという言葉が一番しっくりくるのかなと思います。
――ご自身が演じるキャラクター以外で注目しているキャラクターについても教えていただけますでしょうか。
名前のない招き猫ですかね。お兄ちゃんからもらった大事な遺品であり、本当に重要で絶対にいなければならない存在で、ミツハの生き方にも大きく影響する重要な招き猫になっています。招き猫登場のシーンはこの物語を追いかける上でも大切なので、絶対に見逃さないようにしてほしいです。
※長江さんが注目しているキャラクター「招き猫の姿をした“それ”」
――あとはミツハの外見の影響もあり、年下の幼女キャラクターとの絡みも非常に多くなりますよね。
そうですね。私自身が年下の幼女たちと掛け合う上ではいつも通りのミツハのままでいいんですけど、幼女を演じられる女性声優のみなさんは本当に大変そうだと思いました(笑)。第1話から登場している幼女もいれば、途中から登場する幼女もいます。中には王女様や貴族のお姫様もいるので、後から登場する幼女を演じている方は、それまでに登場した幼女と演技が被っちゃいけないわけです。後になればなるほど大変だろうなって思いますし、そういった点にも注目しながら見ていただけたらいいんじゃないでしょうか。
――原作者のFUNA先生に聞きたいことや聞いてみたいことはありますか。
原作者のFUNA先生とはオーディションの際にお会いして挨拶したくらいで、お話する機会はここまでありませんでした。なので、すごいざっくりとした質問になってしまうんですけど、ミツハが生まれた経緯はお聞きしたいなと思っています。あくまで私の感覚ではあるんですけど、先生自身もミツハに対する憧れのようなものがあるんじゃないかなって感じたんです。ミツハのことをどう思っているのか、機会があればぜひ聞いてみたいですね(笑)。
――それでは最後に本作のファンに向けてメッセージをお願いします。
原作を読まれている方は、ご自身の中にこんなアニメになったらいいなっていうイメージを抱いていると思います。私も原作は小説と漫画のどちらも読ませていただいていて、原作から大きく外れることなく、かつ私が思うミツハを演じようと、日々向き合いながら一生懸命ミツハを作り上げています。みなさんに満足していただける、と言うと少し図々しいかもしれないんですが、満足していただけるんじゃないかなと思っています。原作を知っている方も知らない方も、楽しんで見てもらえるような作品にしたいと思いながら演じておりますので、まずは第1話を見ていただけたら嬉しいなと思います!
――本日はありがとうございました。
<了>
アニメ『老後に備えて異世界で8万枚の金貨を貯めます』より、山野光波役の長江里加さんにお話をうかがいました。アニメの放送もいよいよ間近に控え、ミツハの生き方にも関わってくる第1話は見逃せません。ミツハが2つの世界を行き来しながらどんな人生を歩んでいくことになるのか注目です。アニメ『老後に備えて異世界で8万枚の金貨を貯めます』は2023年1月7日(土)より順次放送開始です。
<取材・文:ラノベニュースオンライン編集長・鈴木>
【放送情報】
2023年1月7日(土): ABCテレビ・テレビ朝日系列全国24局ネット「ANiMAZiNG!!!」枠 26:00~
2023年1月8日(日): BS11 23:30~
2023年1月9日(月): AT-X 21:30~
【キャスト】
山野光波: 長江里加
コレット: 立花理香
サビーネ: 前田佳織里
山野剛史: 福山潤
エリーヌ: 青木瑠璃子
トビアス: 亀山雄慈
招き猫の姿をした“それ”: 堀内賢雄
©FUNA・講談社/「ろうきん」製作委員会
[関連サイト]
TVアニメ『老後に備えて異世界で8万枚の金貨を貯めます』公式サイト
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