独占インタビュー「ラノベの素」 熊乃げん骨先生『社畜剣聖、配信者になる ~ブラックギルド会社員、うっかり会社用回線でS級モンスターを相手に無双するところを全国配信してしまう~』

独占インタビュー「ラノベの素」。今回は2024年12月6日にSQEXノベルより『社畜剣聖、配信者になる 〜ブラックギルド会社員、うっかり会社用回線でS級モンスターを相手に無双するところを全国配信してしまう〜』第3巻が発売された熊乃げん骨先生です。ブラックな職場環境に身を置き、社畜としてダンジョンに潜り続けていた主人公が、業務記録を全国配信してしまって動き出す本作。思わぬ形で世に出た田中誠こと、社畜剣聖(通称・シャチケン)についてはもちろん、物語や魅力的なキャラクターについてなど、様々にお話をお聞きしました。

 

 

社畜剣聖、配信者になる3

 

 

【あらすじ】

天月奏、星乃唯、絢川凛とのハーレム婚約を果たした社畜剣聖(シャチケン)こと、田中誠。愛する人のため、一層活動に励む彼の次なる配信は――凛(+堂島大臣)との「東京湾海底ダンジョン」攻略だ!〈おいおい水着回かよ。テンション上がってきた〈●REC 堂島とのモンスター釣り勝負や、宇宙の外から来たっぽい邪神との対戦実況と、水着で破天荒な内容に本日もチャット欄は大興奮!! だが、そんな熱狂の陰にて、「田中。俺はお前を許さねえ。これは復讐だ」 一人の男(須田)が暗躍し始めて……!? 元社畜、ブラック時代の因縁に決着をつける!!

 

 

――それでは自己紹介からお願いします。

 

熊乃げん骨です。出身は神奈川県で、小説は働き出してから書くようになりました。2年程投稿サイトで書き続け、2020年12月に初めて書籍化を行わせていただいたので、作家歴としては約4年になります。好きなものは漫画で、週刊少年ジャンプは毎週購読していますし、単行本も年間で100冊くらいは買っていると思います。そういった漫画好きが高じて、昔から頭の中で物語を考えることが好きでした。苦手なものは人前で話すことで、仕事ならある程度割り切れますが、プライベートで知らない人と席を一緒にするのは難しいです。以前にちょっと大人数の飲み会があって、誘ってくれた人がいたんですよ。でもその人以外は全員知らない人で、その当日、まさかの誘ってくれた人が遅刻するという地獄の時間を体験しました(笑)。しゃべること自体は好きなんですけど、自分から一歩踏み出すのが苦手です。

 

 

――漫画がとてもお好きとのことで、どんな作品をよく読まれるんですか。

 

読むジャンルの幅は広いと思います。異世界ファンタジーも読みますし、格闘系は特に好きです。たとえば『刃牙』シリーズや『ケンガンアシュラ』、『餓狼伝』、『ドンケツ』など、殴り合いのある作品が好きですね。一方で『ハクメイとミコチ』のような可愛い系も好きですし、『HUNTER×HUNTER』や『ONE PIECE』のような王道系も好きです。

 

 

――また、本作は配信系の作品にあたるわけですが、動画もかなり視聴されているのでしょうか。

 

動画はよく視聴するようになりました。主にゲーム実況や解説動画、知識系、解明されていない謎についてといった動画をよく見ています。この作品もそうですが、私自身ユーザーのコメントを作中で書く機会が多く、今のコメント感や雰囲気を知っていないとみなさんの感覚とズレてしまうと思っているので、配信を見ながらコメントにも目を通すようにしています。個人的にはコメントの空気感を描くのは得意な方だと思っていて、読者さんからの感触も良く、自分の武器のひとつだと感じています。

 

 

――ありがとうございます。続いて熊乃先生が小説を執筆しようと思ったきっかけについて教えてください。

 

ひとつはアニメ『オーバーロード』を見たことがきっかけです。自分はそこで初めて、世の中にWEB小説や「小説家になろう」っていうものがあることを知りました。小説は昔から好きで、図書館でよく分厚いファンタジー小説を読んでいまして、そこからさらにライトノベルという存在を知り、読むようになっていったんです。ただ大人になってからは、しばらく小説を読まない期間も続きました。でも『オーバーロード』をきっかけに、ひさしぶりにWEB小説を読み、こんなに面白い物語がたくさんあるんだと感じました。そこからは累計ランキング上位の有名作を一通り読みましたね。

 

 

――なるほど。『オーバーロード』をきかっけに再び小説を読む生活に戻っていったわけですね。

 

はい。本当にいろんな作品を読んで、ついには日間ランキングに載るような作品にもどんどん食指を伸ばしていきました。そしたらある日、読んでいた作品が「書籍化決定しました」という発表をしていたんです。その頃には、WEBに投稿された小説が書籍化されるという仕組み自体は知っていたんですけど、いざリアルタイムで読んでいた作品が、まさに目の前で書籍化が決定したわけです。そこで抱いた感情が、「えっ、ズルい!そんなサクセスストーリーあるの!?」だったんです(笑)。

 

 

――急に嫉妬心が芽生えたと(笑)。

 

先程も少し触れましたけど、昔から頭の中で物語を考えることは好きでしたし、目の前でそんなサクセスストーリーを見せられたら、「自分だってやってやろう!」っていう気持ちになりますよね(笑)。とはいえ、当時は一度たりとも小説を書いたことはありませんでしたし、面白い物語を書いてやるっていう謎の自信しかありませんでした。なので、あらためてWEBの人気小説を読み直し、自分なりに小説の書き方を学んでいきました。そうして書き始めた1作目がありがたいことに多少の人気をいただき、2作目がちょい伸び、そして3作目で晴れて書籍化が決定するに至った感じです。

 

 

――書籍化を目指して書き始め、その目標でもあった書籍化が決定した当時はどんな気持ちでしたか。

 

「よっしゃ!」って感じでした(笑)。毎日更新し続けて、世の中の編集者さんに「見つけてくれ!」と思いながらやっていたので、嬉しかったのと同時に、胸をなでおろした感じでもありました。書籍化が決まるまで、2年くらい書き続けていましたからね。

 

 

――書籍化決定までの2年間、心が折れる時はありませんでしたか。

 

なかったです。ただ、3作品目の評価の伸びで、書籍化の声がかからなければ、そこで折れていた可能性はあったかもしれません。仮に折れるまではいかなくても、結構なショックを受けていたとは思います。もちろん、自分の書いた作品が書籍化されるということ自体、そこまで簡単にいくとは思っていませんでしたが。

 

 

――ありがとうございます。それでは『社畜剣聖、配信者になる』についてどんな物語か教えていただけますでしょうか。

 

本作は一見冴えないサラリーマンの田中誠が、その見た目からは想像のつかない常識外れの力で、どんどんモンスターを倒し、配信されるその様子を見た視聴者が驚き、湧いてコメントをしていく物語になっています。

 

社畜剣聖、配信者になる

※ブラック企業で酷使されていたダンジョン探索者が動画配信者として鮮烈デビュー!?

 

 

――あらためて着想についてもお聞きしたいのですが、最近話題になってきている「ダンジョン配信もの」を書こうと思った理由はなんだったのでしょうか。

 

新しい作品を何か書きたいと思っていた時に、一緒に温泉に行った知り合いの作家さんと話していた際、「ダンジョン配信ものが熱い」って言われたんですよ(笑)。

 

 

――まさかの同業者情報(笑)。

 

あくまできっかけのひとつですが(笑)。とはいえ、そのお話を聞かされた時は、何も調べたりしていなかったので、ひとまず「ダンジョン配信もの」の作品をいくつか読んでみることにしました。そしたら面白いわけですよ。僕の中では、自分が面白いと感じなければ、どんなにテーマが良くても書くことができません。自分の中での条件をクリアしたこともあって、様々な要素を抜き出しながら、どう差別化していけるかを考えていきました。その中で、ひとつ鍵になったのは主人公の年齢です。当時、自分が読んだ作品の主人公は、ほとんどが高校生や大学生といった若い子たちだったんです。であれば、成人した主人公は差別化の大きな要素のひとつになりますし、ダンジョン探索を仕事として考えると説得力も増すのでは、そして残業しすぎた結果、主人公が強くなるという理屈もわかりやすいと考え、執筆に至った感じです。

 

 

――なるほど。熊乃先生の他作品の主人公と比べて、本作の主人公は年齢が高かったので、ちょっとした違いがあるなとは感じていました。

 

確かにおっしゃる通りで、他の作品の主人公はもっと若いです。年齢は差別化の要因のひとつではありましたけど、キャラクターとして非常に立っていたこともあり、書きづらいと感じることもなかったです。本作は主人公最強もので、ギャグ的な部分もある。ボケのフリとして、主人公はひたすら真面目にやっているんだけど、常識から外れすぎていてコメントでツッコまれる、そんな漫才めいた掛け合いも書きやすさに繋がっているんじゃないかなと思います。

 

 

――実際に書き始める前と書き出した後、「ダンジョン配信もの」の魅力や面白さの源泉はどんなところに詰まっていると感じますか。

 

自分としては、やっぱりコメントパートが面白さの秘訣だと思っています。コメントの視点は、読者さんと同じ視点だと思うんです。なので、主人公に感情移入するわけではなく、コメントの視聴者と一緒になって楽しむ形が近いんじゃないかと思うんです。動画を見た時にコメントに共感するような一体感を感じられるのは、配信ジャンルの小説ならではだと思います。また、コメントが入ることによって、どこが面白いポイントなのかを明示できるメリットもあると思っています。ここが面白い、ここがおかしい、そういったことをわかりやすく読者に伝えられますし、読む側からしてもわかりやすいんじゃないかなと思いますね。

 

 

――一昔前は言い過ぎかもしれませんが、配信コメントは掲示板パートと同じような役割を果たしていますよね。

 

そうですね。この作品にはありませんけど、掲示板回も面白いですよね(笑)。

 

 

――逆に「ダンジョン配信もの」ならではの難しさはどんなところに感じますか。

 

多少突っ込んだ話になるんですけど、前提として舞台が変われば主人公が同じようなことをしていても物語としては成り立つと考えています。ただ、コメントをする人たちは、読者視点では同じ人なので、配信者が同じことをしていたら、コメントも似たようなコメントになってしまいます。これが難しいところだなと、書き始めてから強く思うようになりました。なので、さらに強い敵を倒しても、コメントは面白く感じられなくなってしまう。ゆえに、どうしても主人公にはぶっ飛んだことをやってもらう必要がある。配信者としての立ち位置や目線で、目の肥えた視聴者をどう沸かせられるかみたいな思考になることが多いですね。

 

 

――それでは続いて、作中に登場するキャラクターについて教えてください。

 

主人公の田中誠ですが、彼の名前は疲れたサラリーマンを想像した時に、二秒で思い浮かんだ名前になります(笑)。とにかく自己肯定感が低く、自身の強さに無頓着。欲もないですし、ブラックな環境にいすぎて感情が希薄になっている状況ではあります。そんな彼が少しずつ報われていく感じで書いています。

 

社畜剣聖、配信者になる

※社畜剣聖として広く名が知れ渡っていく田中誠

 

星野唯は、まさに現代っ子っぽい感じで書いています。自分は異世界転生ものを書くことが多く、あまり書く機会がないタイプのキャラクターかなと思っていて、書いていてとても楽しいです。とにかく純粋、そして素直に反応する子で、田中に対してもまっすぐ正面から向き合ってくれる子です。

 

社畜剣聖、配信者になる

※「ゆいちゃんねる」を運営する人気配信者の星野唯

 

堂島龍一郎は、田中を助けてくれる大臣キャラです。現代ものを書く上で、現実にありそうでない省庁を書くことは、やっぱり面白いなと思いますね。本作にはダンジョンに対応するために新設された魔物対策省があります。堂島はそこの大臣で、田中とも面識がある。田中が社畜として働き続けていた時はかかわりが途絶えていましたが、再会をきっかけに裏から田中をサポートしてくれるおっさんです。作中では政治も絡んでくるので、政治パートでは堂島が出張ってくれている。政治をやらせつつ、拳で解決する面白いキャラですね。

 

社畜剣聖、配信者になる

※魔物対策省の肉弾系大臣である堂島龍一郎

 

あとは見た目がスライムのようなショゴスのリリでしょうか。実はWEB連載時に、あまりにも感想で人気を博してしまい、そもそも倒して終わる予定から、仲間に加える形に方針転換したキャラでもあります(笑)。このあたりはWEB連載ならではの面白さですよね。当初はクトルゥフ系について、そこまで突き詰める予定はなかったんですけど、リリの人気が出たことによって、そちら側へと舵を切ることになりました。

 

社畜剣聖、配信者になる

※過去二度地上に出現し壊滅的な被害をもたらしたショゴスのリリ

 

 

――ありがとうございます。田中の周りにいる星野唯以外のヒロインについても触れていければと思っていたのですが、説明が難しいということですので、田中の存在にフォーカスをあてながら探っていきたいと思います(笑)。あらためて田中誠についてですが、作中ではどうしても疲れきったサラリーマンのイメージが強いのですが、もともとはどんな性格だったのでしょうか。

 

まず、田中の子供の頃は、やや落ち着きはあるものの、普通の元気な子でした。幼馴染の須田がガキ大将ポジションでジャイアンだとしたら、足立がスネ夫のようなポジションですかね(笑)。とはいえ、上下のようなものはなく、3人とも対等な友達でした。須田については、やや喧嘩早い面もありましたけど、他の2人はそういうわけでもなく。普通に外で遊んだり、ゲームをしたり、学校の勉強も運動もそこそこっていう、本当に普通の子でしたね。

 

 

――普通の子が疲れ切ったサラリーマンになってしまうという謎のリアリティがありますね(笑)。詳しくは第3巻でも描かれていますが、3人の関係は覚醒者として目覚めることにより、大きく変化するわけですよね。とはいえ、須田に使い潰されるような形になっていた田中へ、社畜時代には誰もコンタクトを取ろうとはしなかったのでしょうか。

 

これは須田が上手く立ち回っていたと言っていいと思います。とにかく田中を、外の人間と意図的に繋げないようにしていました。連絡の手段も会社のスマホしかない状況で、天月や堂島は、両親や師匠を失った田中をそっとしておこうというポジションでした。そうしている間に、気付けば連絡がつかなくなってしまった。二人とも連絡を取りたいとは思っていたものの、友人の会社にいるという安心感もありましたし、須田が外部への報告で良いように書き換え続けていたことも要因で、騙されていた面もあります。足立は結婚などもあり、自分の地盤を固めることを優先せざるを得ず、そもそも周囲が皆、須田があそこまで変貌しているとは思っていなかった感じです。

 

 

――須田の外面の良さがまさかの状況を作り出していたわけですね……。ちょっと方向性は変わりますが、幼馴染繋がりの話題として、ラブコメめいたお話にも触れさせてください。天月奏はいつから田中に好意を寄せていたのでしょうか。

 

これは何かの特典SSでも触れた内容になりますが、天月は昔、泣き虫の女の子でした。そして田中と家が近く、一緒にいることも多かったんです。天月が男子からちょっかいをかけられた時に、強くはないけれど、田中が身体を張って守るエピソードもありました。田中は決して強くはないけど勇気は持っていたタイプ。そういった経験があって、天月は田中に好意を寄せ、いつか恩返しをしたいと思っていたんです。今でこそクールなイメージではありますけど、裏側は昔とそこまで大きく変わっていないと思います。

 

社畜剣聖、配信者になる

※突然のライバル出現によって、天月奏も田中への好意を隠さなくなる

 

 

――田中が覚醒者に目覚めた最初の頃のエピソードは第3巻を読んでもらうとして、どうやって現在の強さを獲得したのかも気になりますよね。

 

特別なきっかけがあったというよりも、ダンジョンは潜れば潜るほど強くなれます。ただ、普通の人はそもそも長時間潜り続けることが難しいんです。でも田中は耐性を持っていたことと、残業として長時間ダンジョンに向かわせられていた背景があり、じわじわ強くなっていきました。もともとの田中のポテンシャルと、須田からもたらされた悪環境が重なって現在の強さに至った感じです。

 

社畜剣聖、配信者になる

※元々のポテンシャルと過酷な就業環境によってその力は成熟していった

 

 

――ダンジョンで田中は死にかけたりしたことはあったんですか。

 

何回かはあったと思います。ただ、敵が強すぎたというよりは、本当に働かされすぎてフラフラになり、穴に落ちたとか、猛者に囲まれたとか、いろんなエピソードがありますね(笑)。社畜として働かされていた最初の頃は、モンスター相手に手こずることはあったと思いますが、後半は負けることなく、疲労が最大の敵だったと思います。

 

 

――ではちょっとコメディ的な切り口で、田中を倒すにはどうすればいいですか(笑)。

 

いやあ、難しいですね(笑)。ピンチにするには、人質を取って遠隔でやるしかないんじゃないでしょうか。後は溶岩で溶かすとか……でも溶岩風呂として事なきを得そうではある……。極論、スーパーマンをどうやって倒すのかみたいな話に近いかもしれません。正面から叩くのは非常に難しいと思います(笑)。

 

 

――ありがとうございます。続いてですが、ここまでのエピソードを踏まえつつ、熊乃先生が書きやすいと感じているキャラ、そして書きにくいと感じているキャラについて教えていただけますでしょうか。

 

書きやすいのは邪神の配下であるダゴ助と、ハイエルフのリリシアですかね。どちらのキャラも感情をそのまま口にするタイプなので、動かしやすいですし、場をかき乱しやすい。いい意味でそのシーンが明るくなるキャラクターだと思います。動かしにくいキャラで言うと……好きなキャラではあるんですけど、天月奏かなと(笑)。先の二人とは真逆で、思っていることをなかなか口にしてくれなかったり、ちょっと奥手。後は田中に似て、自己肯定感が低いので、自分からグイグイ行けない。だからこそ報われてほしいなって思いは強いです。

 

社畜剣聖、配信者になる

※異世界にある聖樹国オルスウッドの姫でハイエルフのリリシア

 

 

――書きやすさなどは抜きに、熊乃先生のお気に入りのキャラクターは誰ですか。

 

ダゴ助ですね。子分キャラは書いていて楽しいので、活躍させてあげたい。足立も友人キャラとして好きなので、裏方やサポート的な立ち位置で出番もそこまで多いわけじゃないですけど、もっといい役割を持たせてあげられるんじゃないかなと思っています。

 

社畜剣聖、配信者になる

※邪神の配下であるダゴ助の活躍にも期待が寄せられる

 

 

――続いてイラストについてお聞かせください。本作のイラストはタジマ粒子先生が担当されています。特に気に入っているイラストを教えていただけますでしょうか。

 

本作ですが、裏表紙に描かれているイラストが、動画のサムネイル画像風になっています。なかなか他の書籍では見ないタイプで、1巻も2巻も大好きです。発想からして面白くていいなって思います。あとは田中のイラストの印象が非常に強いです。自分の場合、ヒロインなどはデザインイメージを想像しやすかったりするんですけど、主人公がいつも想像しづらいんです。なので、目が死んでいる感じとか、スーツを着て剣を持っている感じとか、出来上がったイラストを見せていただいた時に、「これが田中か!」と、納得と同時に作品の解像度が一気に上がりました。

 

社畜剣聖、配信者になる

 

社畜剣聖、配信者になる

※動画のサムネイル風の裏表紙イラスト

 

 

――そして上山ジョジョ先生によるコミカライズもスタートしました。あらためて漫画版ならではの面白さはどんなところだと感じていますか。

 

上山ジョジョ先生が非常にバトルシーンを描くのがお上手な方で、モンスターのデザインもすごく上手い。原作では描き起こされたモンスターのデザインがそこまで多くないので、いろいろとデザインしていただいています。格好いいモンスターからちょっと気色の悪いモンスターまでたくさん描いていただきつつ、田中がばっさばっさと斬っていく。また、視聴者のコメントをどう漫画に落とし込まれるのかと思いながら拝見させていただいていたところもあって、そこもサンプルが少ない中、良い感じにはめ込んでいただきました。読者の方からも高評価でしたし、お任せしてよかったなと思いました。

 

社畜剣聖、配信者になる

※コミカライズは「マンガUP!」にて好評連載中

 

 

――漫画版で熊乃先生が楽しみにしているシーンがあれば教えてください。

 

小説の第1巻で、田中が巨大なドラゴンを一発で叩き割るシーンがあるんですけど、どうなっちゃうんだろうなって、今から楽しみです(笑)。

 

 

――そして第3巻も発売となりました。あらためて作品の見どころや注目してもらいたいポイントを教えてください。

 

第3巻は大きく二部構成になっています。ひとつはいつも通り、ダンジョンの攻略になりますが、普段とは違うメンバーで、いつもとは違うドタバタ感を楽しんでいただけるんじゃないかなと思います。もうひとつは、これまでの因縁を片付けるエピソードになっています。ダンジョン配信のパートがありつつ、世界のことがこれまで以上にわかるような感じになっていると思いますので、ぜひ手に取っていただけたらと思います。

 

社畜剣聖、配信者になる

※第3巻ではシャチケンが……脱ぐッ!!!??

 

 

――第3巻でのメインヒロインを敢えて選んでいただいてもよいでしょうか?(笑)。

 

表側のヒロインは絢川凛。裏側のヒロインは須田でお願いします(笑)。

 

 

――今後の目標や野望について教えてください。

 

やはりアニメ化を目指したいですね!戦闘が多い作品なので、アニメ映えはするのかなと。コミックスも小説最新刊と同時発売になっているので、あわせて人気が出てくれると嬉しいなと思っています!

 

 

――それでは最後にファンのみなさんに向けて一言お願いします。

 

本作を読んでくださっている方へは、いつも応援いただきありがとうございます。感想も励みになっています。今後も田中を暴れさせるので、楽しみにしていただけたらと思います。そして新たに本作に触れてみようと思われている方へ、ダンジョン配信はまだ生まれたばかりのジャンルだと思っています。聞いたことがないという方もいるかもしれませんが、ライトノベルの中でも読みやすいジャンルの作品だと思っています。WEB版からでもぜひ1度読んでもらって、さらに面白くなっている書籍版も追っていただきたいなと思います。

 

 

――本日はありがとうございました。

 

 

<了>

 

 

ブラック企業の社畜から、一気に超有名ダンジョン配信者となった社畜剣聖の姿を綴った熊乃げん骨先生にお話をうかがいました。田中が報われて欲しいという願いと共に、隔絶した強さを見せ続けるシャチケンはどこへ向かうのか。異世界の存在にも揺れながら、ダンジョンの秘密に圧倒的な力で迫っていく『社畜剣聖、配信者になる 〜ブラックギルド会社員、うっかり会社用回線でS級モンスターを相手に無双するところを全国配信してしまう〜』は必読です!

 

<取材・文:ラノベニュースオンライン編集長・鈴木>

 

©Genkotsu Kumano/SQUARE ENIX ©Ryuushi Tajima/SQUARE ENIX

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