独占インタビュー「ラノベの素」 まさきたま先生『TS衛生兵さんの戦場日記』

独占インタビュー「ラノベの素」。今回は2024年11月29日にファミ通文庫(B6判)より『TS衛生兵さんの戦場日記』第4巻が発売されたまさきたま先生です。「次にくるライトノベル大賞2023」で単行本部門第1位に選出されるなど大きな話題を呼んだ本作。衛生兵の少女・トウリが過酷で悲惨な戦場で生きていく物語についてはもちろん、TSものの魅力など様々にお話をお聞きしました。

 

 

TS衛生兵さんの戦場日記4

 

 

【あらすじ】

南部戦線での快進撃により、オースティン軍はサバト軍を国境のタール川の向こうへと撤退させる。しかし大雪によって戦線は膠着、川を挟んでの長い睨み合いが続いていた。そんな中南部軍に合流したトウリは若き天才参謀ベルン・ヴァロウと出会う。彼の異様な雰囲気に恐怖を覚えるトウリだったが、ベルンは逆にトウリを気に入り、とある任務を依頼してくる。それは捕虜の女性レミの話し相手になってほしいというものだった。不信感を抱きながらも、レミが平和を願っていることを知り心を通わせるトウリ。だがそれはベルンが画策する「サバト崩し」のための布石に過ぎなかった――。

 

 

――まずは自己紹介からお願いします。

 

まさきたまと申します。出身は大阪で、執筆歴は今年で8年目になります。趣味はゲームで、休日はゲームをするか小説を書くかして過ごすことがほとんどです。昔から格闘ゲームをよくプレイしていて、最近は『ストリートファイター6』にハマっています。逆にアクションゲームとFPSは苦手です。

 

 

――FPSが苦手というのは意外でした。『TS衛生兵さんの戦場日記』にはFPSの要素が出てくる場面も結構あったので、普段からプレイされているのだと思っていました。

 

実はそうじゃないんですよね。FPSの知識やゲームでの立ち回りなどについて書く際は、FPSが好きな弟にちょくちょく意見を聞いたりしています。

 

 

――ゲーム以外ですと、小説や漫画、アニメなど、どのようなコンテンツに触れてこられたのでしょうか。

 

高校生の頃はオタクのコミュニティに所属していたので、当然アニメや漫画などには日常的に触れていました。当時は『ソードアート・オンライン』や『バカとテストと召喚獣』などが盛り上がっていて、ライトノベルもかなり読んでいましたね。特に『生徒会の一存』シリーズが好きで、どちらかというとコメディチックな作品を読んだり、見たりすることが多かったと思います。

 

 

――続いて小説を書き始めたきっかけについても教えていただけますでしょうか。

 

高校の同級生が「ハーメルン」で小説を投稿していることを、何かのきっかけで知ったんです。しかも投稿している作品が、書き始めてから半年ちょっとなのに、結構読者から評価されていたんですよね。それを見て「僕もちょっと小説を投稿してみようかな」と思い、ノリで書き始めました。

 

 

――本作以外でもWEB連載されている作品には、性別転換を題材として取り扱った「TSもの」の割合が多いですよね。かなりのTS好きだとお見受けしました。

 

そうですね。もともとTSが性癖みたいなところもあったのですが、TSものばかりを書いていたせいで一番得意なジャンルになってしまいまして……その結果があの作品一覧です(笑)。本当はTSもの以外にも挑戦していかないと駄目だなと思っているのですが、TSものを書いた時が一番PVも伸びますし、私自身も好きなジャンルですので、素直にTSものを書いています(笑)。

 

 

――好きなジャンルかつ得意なジャンルだからこそ、書き続けられたわけですね。ちなみに、TSものを好きになった原点は何だったのでしょうか。

 

小学生の頃、家の本棚に置いてあった『らんま1/2』を読んだのが、最初のTSとの出会いでした。TS好きになったきっかけという意味では、WEB小説の存在も大きかったと思います。私が最初に執筆活動を始めた「ハーメルン」にはTSものがたくさんあったので、そういった作品を読んでいくうちに染まってしまって、気づいたら自分も書いていました(笑)。

 

 

――まさきたま先生は、TSものの魅力はどんなところにあるとお考えですか。

 

分かりやすいところですと、ラブコメや恋愛ストーリーを描く上で一味違ったコメディ要素を引き出せることだと思います。性別が後天的に変わるっていうのは超常的なことだと思いますし、そもそも「男の人が女の人に、あるいは女の人が男の人になったらどうなるの?」、「異性は普段どんなことを感じながら生きているの?」っていうことは、多くの人が一度は考えることだと思うんです。最近は誰もが持ち得る疑問を扱っているという点で、実はTSって間口が広いんじゃないかと考えることもあります。例えば先ほど挙げた『らんま1/2』の久能帯刀は、まさにTSのコメディ要素が活かされたキャラクターだと思っています。彼は女の子の「らんま」は好きだけど、男の子の「乱馬」は毛嫌いしているんですよね。この勘違い要素だけでも面白いと思いませんか。こういった要素の積み重ねだと考えると、案外TSってとっつきやすいジャンルなのではと考えています。

 

 

――ありがとうございます。それでは第3巻までを振り返りながら、『TS衛生兵さんの戦場日記』がどんな物語なのかを教えてください。

 

本作は第一次世界大戦をモチーフにした架空戦記となっています。最初はTS転生した主人公・トウリを塹壕戦に放り込んでみようといったコンセプトで書き始めたのですが、書いているうちに「トウリが敵を倒してすべてを解決する」という構成はよくないなと思うようになりました。本作ではトウリが戦場で活躍しますが、活躍したことで必ずしも最高の結果が得られるわけではないという点が特徴となっています。

 

TS衛生兵さんの戦場日記

※苛烈な塹壕戦が繰り広げられる戦場でトウリは何を思い、どう生きたのかが綴られていく

 

 

――あわせて、着想についてもおうかがいしてよろしいでしょうか。

 

『幼女戦記』のアニメがAmazon Primeで公開されているタイミングがあったんです。放送当時は視聴していなかったのですが、話題作でしたし、TS要素もあるという情報を聞きつけて、見てみることにしました。そしたら、それまで見てこなかったのを後悔するぐらい感動しまして。『幼女戦記』ってターニャが活躍するお話ではあるのですが、無双するわけではないんですよね。個人の力で何とか形勢を変えようとしているターニャが、少しずつ世界情勢に追い詰められていく構図になっていて、「WEB小説にはこんなシビアな物語もあるのか」という衝撃を受けました。その興奮冷めやらぬまま書き始めたのが本作になります。

 

 

――『幼女戦記』を見た感動がまさきたま先生を突き動かしたわけですね。

 

そうですね。書きたいものを書いてひたすらアップロードする形で更新していましたし、当時は書き捨てるぐらいの勢いだったと思います。ランキングに載った時も、ただただびっくりしていました。

 

 

――そうして書き始められた本作ですが、先日WEB版が完結を迎えられました。あらためておめでとうございます。書き始めてからの約3年間を振り返っていかがでしたか。

 

ありがとうございます。本当に読者の皆様には感謝しかないです。ぶっちゃけた話、本作がここまで受け入れられるとは考えていませんでした。悲しみや苦しみを積み重ねながら、少しずつ成り上がっていくストーリーですし、『幼女戦記』を見た感動を表現したいという自分の欲望だけを優先して書いていましたから。なんなら、突然ランキング上位に載り始めたころは、「何がウケているんだ?」、「どうやったら読者の期待に応えられるんだ?」と考えてしまい、戦々恐々とすることも多かったです。WEB版を読んでくださった方には、自分の好きばかり優先した作品に、ここまでついてきてくださって本当にありがとうございましたと言いたいです。

 

 

――また書籍版は、今年発表された「次にくるライトノベル大賞2023」にて単行本部門1位に選出されました。読者の間でも大いに盛り上がっていましたが、こういった反響をどのようにご覧になられていますか。

 

私は作家として、誰かの人生観や考え方に少しでも影響を与えられたら嬉しいなと考えています。そういった意味で、「次にくるライトノベル大賞2023」で第1位に選んでいただいたことは、読者の方に刺さるものがあったということだと思いますので、非常に嬉しいです。

 

 

――まさきたま先生は、本作のどういった点が読者の方に刺さっているとお考えですか。

 

何が読者に刺さっているのかは、ずっと考えていたんですが、やはり戦場の悲惨さを調べながら忠実に描いたことが大きいんじゃないでしょうか。実際に起きたことがベースだからこそ、当時の状況に思いを馳せながら読んでいただけているのだと思います。

 

 

――確かに、読者の感想を見ていても「戦場の悲惨さ」に言及するものが多く見受けられましたし、第1巻からものすごく濃厚な戦場の空気感が漂っていました。

 

ありがとうございます。本作を書く上で、『映像の世紀』をはじめ、実際の戦場や塹壕の中を撮った映像などを見て、かみ砕いていく作業を行っています。その中でも一番印象に残っていたのは、山積みになった遺体を無表情の兵士がリアカーで引っ張っていく映像でした。戦場と現代日本の倫理観の差をものすごく感じましたし、戦場の異常性や理不尽さを描いていく上で参考になりました。

 

TS衛生兵さんの戦場日記

※平時の考え方が通用しない戦場で、トウリは「救える命」の選別を強いられることも

 

 

――ありがとうございます。本作はTS転生ものという事で、トウリにはFPSのプロプレイヤーだった前世の記憶がありますし、前世の記憶を使っての活躍は転生ものの醍醐味でもあるかと思います。第2巻のマシュデール撤退戦など、前世の記憶が遺憾なく発揮される場面も多数登場しますが、彼女がいくら活躍しても変えられないものがあるという部分に、爽快感とは逆の無力感のようなものを感じることも多かったです。

 

おっしゃる通り、そこはかなり意識しました。現状トウリは一兵卒に過ぎないので、いくら活躍しようが戦場の形勢そのものを大きく変えることはできません。それに、トウリが敵を倒して、活躍して、万々歳みたいな描き方をしたとすると、戦争で敵を殺すことが彼女にとって「良いこと」みたいになってしまうじゃないですか。戦争で活躍することを全肯定するような描き方はしたくなかったんです。どんなに活躍しても悲劇は起きてしまう、それでも足掻き続けるんだという形で描かせていただいています。

 

 

――トウリの活躍についてもう一点お聞きしたいのですが、トウリの持つ前世の記憶が発揮される場面はきわめて限定的であるように感じます。トウリの活躍のさせ方に何かこだわりなどはあるのでしょうか。

 

私は、特定の場面でしか役に立たない能力を持ったキャラクターが、ここぞというタイミングで活躍するストーリーが好きなんです。例えば、宮部みゆき先生の『魔術はささやく』という作品は、普段は役に立たないピッキングの技術を活かして、ここぞという場面で主人公が活躍するという展開になっています。普段は能力を制限されていても、一瞬だけ輝かせられれば、これだけ盛り上がりを作れるんだという気づきがありました。万能の主人公にも良さはあると思うんですが、特定の場面だけで活躍するのもカッコいいなと思い、本作でもその要素を入れさせていただいています。

 

 

――また、本作は書籍化をするにあたって日記形式に構成が変更されていますよね。

 

WEB版を読んだ担当編集さんに「なんでトウリは読者に向かって語りかけてるの?」と突っ込まれまして、あらためてトウリはどういった形式でストーリーを語っているんだろうと考えることになったんです。その際、日記形式が編集さんに提案してもらった中で一番書きやすいなと思ったので、採用しました。構成が決まってからは「キーキャラクターが日記を拾って、読み解いていく流れは面白いのでは?」と考え、今の形に落ち着きました。

 

 

――続いて本作に登場する主要なキャラクターについて教えてください。

 

主人公のトウリは、見切り発車で書き始めた作品の割には、ちゃんと考えて作ったキャラクターになっています。架空戦記らしくシビアな世界観にしようと考えた時、やっぱり見せ場として泣くシーンや叫ぶシーンが欲しくなったんですよね。どんなキャラクターが泣いたり叫んだりしたら映えるかなと考えて、無表情クール系キャラクターで行こうと決めました。ただ、それだけだと魅力を作りにくいので、実は芸人気質で目立つのが好きだったり、年下の面倒見が良かったりなどギャップを持たせています。

 

TS衛生兵さんの戦場日記

※トウリには腹話術と人形劇という隠れた特技があったりする

 

ロドリーはトウリの相方枠のキャラクターで、トウリとは反対に好戦的かつ感情的で、口も悪いキャラクターになっています。トウリにも言えることですが、誤解されやすいキャラクターです。共通して誤解されやすいからこそ、お互いのことはよく理解している……そんな関係になったらきっとふたりは親友になれるだろうと考えました。あと男にしては身長が低い設定なのですが、それはトウリと並んだ時ちょうどいい高さになるように意識していたりします。

 

TS衛生兵さんの戦場日記

※相方役として、トウリとは正反対の性格で描かれるロドリー

 

ガーバック小隊長は1話か2話ぐらいで登場させたんですけど、最初は本当にノリだけで作ったキャラクターでした(笑)。何なら、書き始めた時はムカつく暴力系上官として描いて、後でトウリに見返されるっていう展開も考えていたぐらいです。ただ、書き進めていくうちに、トウリが成り上がっていく上で目標になるキャラクターが必要と考え、途中からは背中で見本を見せるタイプのキャラクターとして描くようになりました。

 

TS衛生兵さんの戦場日記

※突撃兵のエースであり、剣鬼として恐れられてきたガーバック小隊長

 

グレーは自分の中で特に印象に残っているキャラクターです。ガーバック小隊でトウリやロドリーの先輩にあたるのですが、私の思う頼れる兄貴分の要素を詰め込みつつ、ちょっとチャラ目の要素も付け足しています。ガーバック小隊長に置き去りにされて壮絶な戦死を遂げるあたりは、アドリブで書いていたので、自分でも「ああ、グレー先輩はここで死ぬんや……」と書きながら衝撃を受けていました。そのあとのヴェルディ伍長とロドリーのやり取りも含め、奇跡的に書けた良いシーンが多くて、第2章以降のストーリーを書いていく上で、「本当にグレーのエピソードを超えられる話は書けるのか」と重圧にもなっていました。

 

TS衛生兵さんの戦場日記

※まさきたま先生が特に印象に残っていると語るグレー

 

シルフは第4巻から本格的に登場するキャラクターなので、WEB版を読んでいない方は「誰やねん、あのシルフ攻勢をやったヤツかな」くらいの印象しかないと思います。「史上最悪の愚将」と第3巻までで書いているのですが、これから覚えていただけたら嬉しいキャラクターのひとりですね。

 

 

――ガーバック小隊長はトウリの目指すべき目標というお話でしたが、第3巻で衛生小隊の長となったトウリと、平気で鉄拳制裁したり、苛烈な突撃を繰り返すガーバック小隊長では、上官としての在り方が正反対に感じました。

 

まあそうですね。結論から言うとガーバック小隊長は、賛否の分かれるキャラクターだと思ってます。彼の行動を全肯定する気は私自身もなくて、あくまでこういう人間っているよねという描き方をしました。とはいえ、トウリがトウリのまま成長していくと絶対に足りないものが出てきます。その足りないものを全部ガーバック小隊長が持っているわけです。

 

TS衛生兵さんの戦場日記

※トウリはガーバック小隊長の姿から自分に足りないものを学んでいく

 

 

――なるほど。トウリが自身に足りないものを自覚するという意味でもガーバック小隊長の存在は大きかったと。実際にトウリがガーバック小隊長から学んだことは技術面、精神面含めて多かったかと思いますが、第3巻までを振り返ってトウリはどういった点で成長したとお考えですか。

 

成長っていう言い方はちょっと違っていて、トウリの場合は「戦場に適応していった」と言ったほうが正しいんですよね。その視点ですと、ガーバック小隊に入り、一般市民から兵士になったこと、その後小隊長になり、部下の命を預かる立場になったことは彼女にとってターニングポイントだったと思います。兵士としては成長したほうがもちろんいろいろな人を守れるしプラスではあるんですけど、同時に戦場に適応するということは「人を殺すのが上手くなる」という側面があります。それをトウリが成長だととらえるのかと言われると、少し違った答えが出てくる気がします。

 

 

――キャラクターについてですと、トウリは前世の性別と今世の性別の間でどう折り合いをつけているのか、といった部分も気になったのですが、いかがでしょうか。

 

実際、「トウリの性自認やロドリーとの関係ってどないやねん」っていうお話を書こうとしたこともあるんですけど、TSに理解がある人じゃないと苦手なシーンになるのではと考えて削りました。トウリがロドリーに対して抱いている感情の正体は何なのか、そういったお話も面白いと思うのですが、深くなりすぎてしまいますから。本作は最初からTS要素は薄める方向で書こうと考えていたので、ある程度読者さんにゆだねる形を取っています。

 

 

――ありがとうございます。続いてイラストについてもお聞きしたいのですが、本作のイラストはクレタ先生が担当されています。特にお気に入りのイラストについて教えてください。

 

一番好きなイラストは第2巻のトウリがヌッと笑いながら出てくる口絵です。このイラストはカッコいいというか気持ち悪いんですよね。可愛い要素もありつつ、迫力もあって、どこか不気味さも感じさせられるというトウリの多面的な魅力が感じられる一枚になっているかと思います。あとは第1巻の終わりでトウリが泣き叫びながら、焼かれていく村に手を伸ばすイラストは、強烈なインパクトを感じさせる一枚だと思います。ほかには、第4巻の巻末イラストも気に入っているので、よければ手に取って確かめてみてください。

 

TS衛生兵さんの戦場日記

 

TS衛生兵さんの戦場日記

※まさきたま先生が特にお気に入りだと語るイラスト

 

 

――さらに本作は耳式先生によるコミカライズも行われています。漫画版ならではの魅力や見どころについて教えていただけますでしょうか。

 

小説版は日記形式で書いていますが、漫画版はWEB版がベースとなっているので、そのあたりの違いを見比べながら楽しむことができるかと思います。後は何と言っても耳式先生が描くトウリがものすごく可愛らしいんですよね。それでいて戦闘シーンの迫力もすごいですし、暴力シーンも重厚感がある表現で描いてくださっています。可愛らしいトウリの見た目と戦場の悲惨さのギャップを視覚的に描けるのは、漫画版ならではの強みだと思いますし、大きな魅力だと考えています。

 

TS衛生兵さんの戦場日記 コミックス1

※コミカライズ版は「電撃コミック レグルス」にて好評連載中

 

 

――続いて発売された第4巻の見どころについてお聞かせください。

 

第4巻ではオースティンで生まれた怪物ベルン・ヴァロウが初登場し、より戦記ものとしての要素が強くなっていきます。ストーリーとしては第3巻で行軍していたオースティン軍が再びサバト軍と激突する北部決戦が描かれるのですが、シリーズ全体で見ても前半部分最大の山場ですので、きっと楽しんでもらえるかと思います。また、現代パートでも戦後のトウリがどのようになっているのかを知るヒントが明かされますので、こちらにも期待していただきたいです。

 

TS衛生兵さんの戦場日記

※大一番の北部決戦を迎える第4巻では現代パートにも動きが……

 

 

――今後の目標や野望などがあれば教えてください。

 

まずは書籍版を完結まで書き切ることです。今は次に書く作品の設定も練っていませんし、しばらく他の長編を書く気もありません。WEBで完結後のエピソードを時折投稿しながら、『TS衛生兵さんの戦場日記』書籍版の原稿に注力していくつもりです。

 

 

――最後に、第4巻を楽しみに待っていた読者の方々、まだ本作を読まれていない方へメッセージをお願いします。

 

第4巻は私が書籍化をさせていただくにあたって、最も出したい巻でした。それこそ編集さんに土下座してでも出してもらおうと思っていたほどです。一つの節目になるエピソードとなっておりますので、ぜひ楽しんでいただければと思います。本作をこれから読んでみようかなという方には、一旦第4巻まで読んでもらいたいです。一旦で第4巻まで買わせるのはどうかと思うんですけど(笑)。とはいえ本腰を入れて骨太なストーリーを楽しんでみたいと思っている人には、後悔はさせないので手に取っていただければと思います。

 

 

――ありがとうございました。

 

 

<了>

 

 

過酷な戦場で生き残るため、仲間たちを守るため奮闘するTS衛生兵・トウリの物語を綴るまさきたま先生にお話をうかがいました。リアルな戦場と、そこで生きていく、あるいは散っていく人間たちを真正面から描いた本作。この残酷な戦争の行き着く先はどこなのか、そして少しずつ出世していくトウリの行く末はどうなるのか、見逃せない展開が続く『TS衛生兵さんの戦場日記』は必読です。

 

<取材・文:ラノベニュースオンライン編集部・宮嵜/鈴木>

 

©まさきたま/KADOKAWA ファミ通文庫刊 イラスト:クレタ

kiji

[関連サイト]

『TS衛生兵さんの戦場日記』特設ページ

ファミ通文庫公式サイト

 

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