独占インタビュー「ラノベの素」 仁科朝丸先生『くすぐり闘士の無魔術乱舞-ゼロ・ランブル-』
独占インタビュー「ラノベの素」。今回は第17回えんため大賞にて「特別賞」を受賞、2月29日にファミ通文庫より受賞作『くすぐり闘士の無魔術乱舞-ゼロ・ランブル-』が発売となる仁科朝丸先生です。

ゼットー流――
超絶くすぐり技巧で相手をまさぐる、変態と紙一重の技法なり!
【あらすじ】 “ゼットー流”――超絶くすぐり技巧によって魔術師の詠唱を妨害し、相手の戦意が喪失するまで情け容赦なくまさぐる――変態と紙一重の指技をつく流派である。ゼットー流使いの少年ソーヤ――“魔力なし”として生まれ、差別を受けてきた彼は、とある理由から魔力を持たないにもかかわらず魔術学院へと入学する。入学早々にソーヤはたちを炎魔法の使い手ルルファと対決することになるのだが!? 美少女たちをアノ手コノ手でくすぐり倒す限界ギリギリバトルファンタジー! |
――本日はよろしくお願いします。この度は第17回えんため大賞「特別賞」受賞おめでとうございます。
ありがとうございます。
――仁科先生のプロフィールを教えてください。
長崎県出身の関東在住です。幼児期にゲーム画面で五十音を覚えたくらいゲームが好きで、他にコーヒー牛乳と、もふもふした動物が好きです。言うまでもなくくすぐりも好きですが、語り始めると本旨からズレるので詳細は控えます。苦手なものは、上京したての頃は電車の乗り継ぎが苦手で、誤って別の路線や逆方向の電車に乗ってしまうこともあったのですが、最近はスマホのおかげで改善されました。文明の利器バンザイ。
――早速ですが受賞作『くすぐり闘士の無魔術乱舞』はどんなお話ですか。
魔術が当たり前に存在する世界で、生まれつき魔術を使えない主人公が、そのハンデを補うために身につけたくすぐり技であらゆる強敵(主に女子)をくすぐり倒していくバトルファンタジー小説です。主人公はくすぐりという非暴力的手段で戦うので、「まあ、バトルものなんて野蛮だわ。子供に悪影響が出ないかしら」と懸念される保護者の方も安心です。別の方向に影響が出そうな気はします。
――主人公やヒロインについて教えてください。
主人公のソーヤは実直な性格で、類稀な身体能力の持ち主ですが、自分のくすぐり技について何の疑問も抱かず、むしろ誇りに思っているあたりが致命的に周囲とズレている残念な少年です。真っ先に毒牙にかかるヒロインのルルファは、作中では貴重な常識人で、何かと損な役回りをさせられる不憫な子です。もう一人のヒロインであるメリッサは一見クールながら脳内はふしだらで、時にソーヤを上回るボケを発揮します。
――仁科先生のお気に入りのキャラクターは誰ですか?
お気に入りというか、必要なのはルルファです。いないとツッコミが追いつきません。
※ツッコミ役(?)のルルファ
――もじゃりん先生のイラストがとても色っぽいのですが、率直な感想を教えてください。
自分の書いたキャラクターをこんなにもエロ可愛く描いて頂けるなんて、生きてて良かったと思いました。
※クールに見えるメリッサ
――『くすぐり闘士の無魔術乱舞』を書くきっかけになった出来事などありますか?
一度くらい思いっきり趣味に走ったものを書いてみようと思って、くすぐりをテーマに書き始めました。当初は全ての人物がくすぐり合いで勝敗を決するという色々アレな世界を舞台にしていたのですが、それだと主人公以外に男を出せないとか制約が多くて、結局行き詰まっていたんです。その後、飲み屋で友人に相談し、数時間かけて熱く語り合った結果、今の形に落ち着きました。
――趣味=くすぐり。当然仁科先生はくすぐりに強いわけですね。
弱いです。死にます。
――仁科先生の経歴をざっと教えていただけますか。
初めて書き上げたのは学園を舞台にした部活ものでした。その後も似たようなジャンルのものを書いていたのですが結果はいまひとつで、思い切ってファンタジーに転向したところ、初めて二次選考を突破できました。案外ファンタジーが性に合っているのかなーと思っていたら、次に書いた本作で受賞しました。
――仁科先生はどんな学生時代を過ごしていましたか?
小学生の頃は主にRPGやアドベンチャーゲームに、中学生以降はオンラインゲームに熱中していたので、学校なんか早よ終われと思っていただけで特に思い出はありません。家に帰ってひとしきりハムスターと戯れてから、あとはゲームに没頭する日々を過ごしていました。そう考えると今とあまり変わっていない気もします。
――受賞の報せを聞いたときの気持ちを教えてください。
本当にいいのか……? くすぐりだぜ……?
――受賞後最初に何をして、誰に伝えましたか?
電話を頂いた時、某絶体絶命な感じのゲームをやっていたので、気分を落ち着けようと思ってゲームに戻りましたが、動揺していたせいか普段の三倍くらい死にました。同日中に、前述の友人に報告しました。
――作家になろうと決めたきっかけや、そのきっかけになった作品などはありますか?
きっかけは色々ありますが、一番影響を受けたのはサウンドノベルだと思います。文章を読むのがメインのゲームなんて当時珍しかったので。それからストーリー重視のゲームを好むようになって、小説も読むようになり、気づいた時には「自分も物語を書いてみたい」という欲求に取りつかれていました。
――ファミ通文庫にはどんなイメージを抱いていましたか?
あまり特定のジャンルに縛られない、良い意味で自由なイメージがありました。「面白ければ良し」というような。
――受賞後その印象は変わりましたか?
ますます強くなりました。
――担当編集さんからはどんなアドバイスをもらっていますか?
私が基本的にアクセル全開で勢い任せに書いているので、やりすぎた時に冷静なツッコミを入れて頂くことが多いです。と思いきや「もっとエロい感じにしましょう」的なアドバイスを頂くこともあり、適切に舵を取って頂いていると思います。
――作家としてこれからの目標を教えてください。
読み終わって本を閉じた時に、「ああ、面白かった」と思ってもらえれば、それが何よりの幸せです。そう思ってもらえるような本を一冊でも多く書き続けていくことが目標です。
――仁科先生にとってこれからファンになってくださる読者はどんな存在ですか? あとファンレターは欲しいですか?
応援して頂ける方の存在は、本当にかけがえのないものだと思います。ご期待にお応えできるよう、自重せず全開で突っ走っていきたいです。ファンレターはまだ想像が追いつきませんが、もし頂けたなら宝物になりますね。
――最後に作品のアピールと読者の皆さんに一言お願いします。
真剣勝負という大義名分のもと、主に女の子を容赦なくくすぐり倒していく、爽快感と色欲に溢れる作品を目指しました。もじゃりん先生の美麗かつ扇情的なイラストのおかげで、元々くすぐりの趣味がない読者の方でも充分お楽しみ頂ける、あるいは何かに目覚める一冊になると思います。表紙やあらすじを見て少しでもビビッときた方は、ぜひお手に取ってみてください。
――本日はお忙しい中ありがとうございました。
こちらこそ、ありがとうございました。
多くのゲームに触れてきた経験と趣味の力を発揮して、見事受賞を果たした仁科朝丸先生にお答えいただきました。超絶の技巧を駆使してくすぐり倒す注目の受賞作『くすぐり闘士の無魔術乱舞-ゼロ・ランブル-』は必読です!
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