独占インタビュー「ラノベの素」 モンスターレーベル10周年記念インタビュー【第2弾】戸倉儚先生『雑用付与術師が自分の最強に気付くまで』

独占インタビュー「ラノベの素」。今回はMノベルス刊『雑用付与術師が自分の最強に気付くまで~迷惑をかけないようにしてきましたが、追放されたので好きに生きることにしました~』より、戸倉儚先生です。3ヶ月連続となるモンスターレーベル10周年記念企画として実施されるインタビューの第2弾。自分の居場所を問い、探し続けるために迷宮の奥に足を踏み入れていく主人公、そしてそんな主人公を様々な視点から見つめるキャラクター達。ストーリーとキャラクターを深堀りしながら、作品の魅力と本質に迫る様々なお話をお聞きしました。

 

 

雑用付与術師が自分の最強に気付くまで~迷惑をかけないようにしてきましたが、追放されたので好きに生きることにしました~

 

 

【第1巻あらすじ】

雑用係でかつ付与術師としてサポートに徹するヴィム=シュトラウス。しかし彼の有能さがリーダーのプライドを傷つけパーティーから追放されてしまう。途方に暮れるヴィムだったが、最大ギルド「夜蜻蛉」に所属するハイデマリー(ヴィムのストーカー兼幼馴染)に勧誘を受け、加入することに。「いや何言ってんだよ。階層主をソロで倒したなんて――え? 本当?」 周囲がヴィムの異常さに気付き始める中、ヴィムは好きに生きることにした。

 

 

――それでは自己紹介からお願いします。

 

戸倉儚です。大学院生をやっています。明確な執筆歴というのはあんまりはっきりしないのですが、中高生の頃に何度か「小説家になろう」へと短編を投稿して遊んでいました。その後、2020年に執筆を再開し、双葉社さんに拾っていただいた感じです。趣味は高校から始めたテニスで、大学に入ってからも続けていたのですが、コロナ禍と被ってしまい大会にも出られず、ずっと不完全燃焼のまま続けている感じです。

 

 

――小説の執筆については、長編を書き始めたのが2020年のスタートという感じだったのでしょうか。

 

そうですね。緊急事態宣言が出たあたりから書き始めたと記憶しています。中高生の頃に短編を投稿していた時もいい感触がありましたし、計画的に長編を投稿したら書籍化できるんじゃないかっていう思いをぼんやりと描いていたこともあり、書いてみた感じです。

 

 

――中高生の頃に短編を投稿しようと考えたのは、何かきっかけがあったのでしょうか。

 

小学生の頃に、本をすごくたくさん読んでいた時期があったんですよ。今はなくなってしまいましたが、「にじファン」というサイトにもかなり入り浸っていました。確たる記憶はないんですが、その時に「こんな感じで書いていけばランキングに載れるのかな」と思って、書いてみたのが始まりだったような気がします。でも、当時は小説家になりたいなんて気持ちはまったくなくて、それこそ実験的にというか、愉快犯的に投稿していた感じだったと思います。

 

 

――「にじファン」でもかなり小説を読まれていたとのことですが、小説はいつ頃から読むようになったんですか。

 

小学校の低学年中学年頃が、人生を振り返っても一番読んでいた気がします。それこそ1日1冊文庫本を読みましょうみたいなタイプで。ラノベの系統ジャンルに触れたのも早くて、小学校3年か4年くらいの頃に、130巻くらいある『グイン・サーガ』を読破してやろうって毎日読んでいました。それからは推理小説もいっぱい読みました。直木賞を獲った東野圭吾の『容疑者Xの献身』で描かれたトリックを読んで、素直にすごいと思った記憶があります。「小説家になろう」を読むようになったのはその後ですかね。無差別に読んでいたのは本当に小学生の頃で、それ以降は話題になった作品を摘まんで読むくらいに留まっている気がします。アニメや漫画に触れたのもその後でしたしね。

 

 

――なるほど。好きな作品や印象に残っている作品などはありますか。

 

僕自身、ナチュラルに創作物を摂取するタイプではなくて、「話題になっているから、とりあえず手に取ってみよう」くらいなスタンスで摂取するタイプなんです。なので、自分の性質に従って、こういう作品をよく読みますとか、そういう感じではないんですよ。もちろん有名作家の本とか読みますけど、パスティーシュの訓練に使うことが多く、その上でうまいなって痛感することが多いかなって感じです。言葉は多少悪いかもしれないんですけど、人様の創作物にケチを付けている時が、すごく楽しいんですよ(笑)。ものの見方として昔からなんですけど、作品を書いた作家と同じ目線に立って、第三者から見たら「何様だコイツ」って思われるような視点で見ていることが多い。ある意味、そういう面で自分の恥部をさらけ出しているので、対等だよなと思いながら、楽しんでいることが多いですね。

 

 

――どちらかというと、批評家に近い視点で創作物を見ているということでしょうか。

 

間違いなくそうだと思います。安心できるのが、僕自身も書く立場の人間なので、自分の言ったことがことごとくブーメランとして返ってくるわけです。ワンサイドで言っている感じがしないので、罪悪感も少ない。自分が書く立場と言うと、変に権威主義的ですけど、自分にも返ってくるんだよと。それを含めて、ボロカス言うのが楽しみのひとつではあります(笑)。

 

 

――あらためてご自身が読む側から書く側になって変化したことはありましたか。

 

これと言ってはっきりとした読み手と書き手の境目があった感じはしません。昔から評論家気質でしたし、純粋な読者期間も長かったというわけではない。それこそ小学生の頃に推理小説を読むようになってからは、市場の回り方や考え方について、既に一家言ありました。そのタイミングが、ひとつ視点の切り替わった契機だったとは思いますけど、明確な変化っていうものはほとんど感じてないですね。

 

 

――ありがとうございます。それでは『雑用付与術師が自分の最強に気付くまで』はどんな物語なのか、第3巻までを振り返りながら教えていただけますでしょうか。

 

ものすごく端的に言うなら、「小説家になろう」で流行っている追放ものの無双系ですよね。

 

雑用付与術師が自分の最強に気付くまで

※物語は主人公のヴィムが追放されて動き出していく

 

 

――要点をかいつまめばそうだとは思うのですが、本作を「追放ものの無双系」だけで表現するのは、ちょっと違うのではないかと感じてしまうのですが。

 

僕としてはその見解に対してギャップがあって、一貫して無双ものを書いているつもりなんですよ。「小説家になろう」的な快感原則は忠実に守っていますし、主人公が陰キャであるというのもスパイス的なもので、メジャージャンルから大きくズレているとは思っていません。おっしゃる通り、読者の方からも、僕の思っていた反応とは違うものが出てきたりはしますが、枠組みはどう考えても追放ものなんですよ。読者層的にも、今売れている『片田舎のおっさん、剣聖になる』とファン層はそれなりに被っていると思っています。電子書籍の消費者層とも重なっていて、やっぱり追放ものであるし、僕はそう思っているっていう認識ですね。

 

 

――聞いているこちら側も非常に興味深いです。続けて着想についても教えていただけますでしょうか。

 

まず、追放ものの基本的な発想として、物語の序盤で読者に快感を与えるテンポ感はテンプレートとして優秀ですが、構造的出オチ感と、その後の物語をどう展開するのかという問題があります。この部分のパーツとして、陰キャものを組み合わせたら話が最後まで語れるなっていう発想がありました。物語としては二重構造になるわけですが、表面ではテンプレート通りに話を進め、裏側では理屈の通った話を進めていく。本作はパッと見理不尽に見えるんですけど、主人公には変なところがある。追放ものの追放後の流れの一端には、有名で大きなパーティーに入るというものがあるんですが、果たして追放された人物が、大きなパーティーでそのまま馴染めるのかという疑問が残るわけです。むしろ、馴染めないよなと。その流れで、心情的な物語に仕上げられそうだという見込みが立ったわけですね。追放もののテンプレと、私小説っぽい話がマッチするなって感じが、着想と言えば着想になると思います。

 

 

――物語のスパイスとなっている陰キャの主人公・ヴィム=シュトラウスの存在は、本作をより面白く感じさせる要素のひとつになっていることは間違いないと思います。一方で、ヴィムが何処を目指しているのかが読み取りづらいところもあって、戸倉先生はヴィムを描く上で、どんな人間にしようとされていたのでしょうか。

 

前提として僕の書き方は、「第一の設定としてこういう人間です」という書き方はせず、言語化しないまま描写を優先して、そこから帰納的にキャラクターを作っていくんです。なので、イメージとしては言動が先に来て、そこからキャラクター性が決まっていくので、一概にこういうキャラクターだと表現するのは少し難しい。ヴィムは基本陰キャとして書いているんですけど、陰キャを書く上では、「人に認められたい」とか「自分の力を誇示したい」という思いが表裏一体だと考えていて、そこは同居するように描いています。ヴィムだって、露出の多いお姉さんがいたらチラッと見てしまうくらいのスケベ心はありますし、普通に人と話すのが嫌だと感じても、一人で部屋にこもって黙々とひたすら熱中し続けることができるかというと、そういうタイプでもないので。

 

雑用付与術師が自分の最強に気付くまで

※陰キャな主人公であるヴィム=シュトラウスはどんな人間であるのか

 

 

――陰キャという要素はありつつ、割り切れていない面が垣間見えるシーンはありますよね。

 

本当に難しいんですけど、ヴィム君の主な造形としては、好きなことに熱中はできるキャラクターだという像は、読者にも伝わっていると思うんです。ただ、世の中のあらゆるコンテンツは、一人で完結して成立しているものはないと思っていて、書いている人がいれば読んでいる人がいる。スポーツであっても、一人だけで記録を残せるかというと、自分のことだけに集中しているようで、意外と相手のことも意識するわけじゃないですか。外側に対する虚栄心のようなものがありつつ、陰キャゆえの性質が、表裏一体にあるよう書いています。ただちょっと思うのは、ヴィム君は攻撃性があるようで、実はびっくりするくらいになかったりする。本来であれば、自分を冷遇してきた人間に対して怒ってもいいし、恨めしく思ってもいい。それこそずっと根に持っていても不思議じゃないと思うんですけど、そこはコロっと忘れちゃうところがある。そこが妙にイノセントで、人を恨んだりしない陰キャ性は、現実とちょっと違うのかなと思いますね。ヴィム君は人に対して、純粋に憧れていい部分だけを見ているような気がします。

 

 

――なるほど。そんなヴィムが迷宮へと潜り、階層主との戦いに夢中になりながら、高揚感や快感を求めていく。一方でそんな彼を俯瞰して見た時に、果たして幸せがある場所へと向かっているのか、すごく疑問に思う瞬間があって。

 

その点に対しては、おそらく回答のようなものがあります。これは最近、僕自身も執筆している時に感じるようになったことですが、何かに夢中になることは、多分に現実逃避を含んでいると思うんです。たとえば、すごく活躍しているスポーツ選手をすごいと思ったりするじゃないですか。でもその当人を深掘ってみると、不自然なくらいにいろんなことを知らなかったり、いろんなものから目をそらしたりしていたりすることがある。だから、本人の中ではすごく楽しく頑張っていて、傍からもそう見える状況でも、現実逃避や破滅の方向に向かっているということは、十分にあり得るんだろうなと考えています。そのあたりの意匠が、本作における迷宮の意匠と合っているなと思っていて、どんどん深みに潜っているんだけど、本人としては普通に頑張っているつもり。でも実はいろんなものから逃げていて、奥の方に奥の方にと行っているだけみたいな。もちろんヴィム君にも普通になりたいと思う気持ちはあって、頑張りはしている。でも裏腹に、辛いし嫌だという思いも持っている。普通になりたいけどなれないという気持ちをバネにして、現実逃避へ力を発揮していく、そんなニュアンスですね。

 

雑用付与術師が自分の最強に気付くまで

※ヴィムの向かう先にはいったい何が待っているのだろうか――?

 

 

――普通にはなれないという気持ちがあるからこそ、異なる方向に向かっていってしまうと……。普通や無難という気持ちにハマりきれないという点は、読者の視点からヴィムへのちょっとした共感ポイントのひとつなのかもしれないですね。

 

その点が作品として出始めてきている矛盾……とまでは言わずとも、ちょっとした歪な部分でもある。ハマりきれないその気持ちって、掘り下げたらかなり攻撃的な気持ちだと思うんです。作中でも書きましたけど、ヴィム君は集団の中に馴染んで普通に話すという行為に、実は気持ち悪さを感じている。それはれっきとした見下しであり、攻撃的な気持ちです。でもそれにしては、普段からクロノスたちのことを恨んでいるわけじゃない。そこまで大きな瑕疵かと言われると難しいところではあるんですけど、作品として出てきた無理かなって感じることはありますね。攻撃性があるようでない、という話をしましたけど、実はある、に話が繋がってしまうので。

 

雑用付与術師が自分の最強に気付くまで

※ヴィムというキャラクターを理解することで物語の面白さはより際立っていく

 

 

――でも、ヴィム=シュトラウスというキャラクターが、どんなキャラクターなのかという点は、かなり腹落ちした感じがします。某メジャーリーガーに起こった大事件があったと思うんですけど、ヴィムというキャラクターの解像度を上げるには、ある意味でわかりやすい事例だったのかもしれません。

 

僕の才能のある人間の解釈でいうとそうなりますね。メンタルが強かった、周りの支えがあった、いろんな話があったと思いますが、僕の解釈では現実逃避の可能性も十分にあると思っています。逃げ込んだ先にあるものが成果へ繋がり、自分を守るバリアになる。そういう状況になった時、人間はびっくりするくらいに能力が向上する。そういった僕なりの、才能であったり、夢中になることへの解釈は、ヴィム君に込められていると思いますね。

 

 

――そうなると、ある意味で現実にヴィム=シュトラウスを繋ぎとめていたのは、ハイデマリーだったんじゃないかと感じるんですよね。

 

これはキャラクター造詣の大前提が、やはり物語の設定から来ているところがあるので……。理不尽に追い出されたキャラクターが、なぜか美少女に拾われて、パーティーに所属する。ハイデマリーは追放される前からヴィム君には目をつけてはいたけど、距離感として無理矢理引っ張ってこられるわけじゃない。彼が行く先を探していたら引っ張ってくるくらい、それくらいの距離感の人間がいたら、物語としては都合がいいという面から生まれたキャラクターなんですよ。その中でハマったのが、ストーカー系のキャラではあるんですけど、割とサバサバ系で、なかなかこういうキャラはいない。どちらかというと、ハイデマリーの挙動は童貞くさいまである(笑)。触れたいけど触れられないみたいな、どこか潔癖で妙に個人を尊重する面ですよね。そういう意味でも、ハイデマリーはキャラクターとして一貫性が取れているなとあらためて感じます。結局、ヴィム君とは方向性こそ違いますが、ハイデマリーも陰キャなんですよ(笑)。同じ陰キャでも、極端な客観視しかできずアンバランスなヴィム君と違って、自我をちゃんと持っていてバランスが取れている。友達はいなくとも彼女が賢者である所以なんですけど、ヴィム君と良い距離感を持っていたからこそ、そう感じられるのかもしれませんね。

 

雑用付与術師が自分の最強に気付くまで

※ヴィムをずっと見続けてきたハイデマリー

 

 

――他のキャラクターにも触れたいのですが、大きなところだと夜蜻蛉《ナキリベラ》のカミラ、そして黄昏の梟《ミナーヴァ・アカイア》のリタ=ハインケスでしょうか。

 

以前SNSでも投稿したことがあるんですが、銃の規制という題目で分類するとわかりやすいと思っていて。ディスカッションの題材として「国は銃を規制すべきだ」という話をした時に、カミラさんは話している間にいつの間にか公の目線に立って、「我々が銃を持って民を守ろう」っていうことを偉そうに言い出すんです。そしてリタさんの場合は、基本的にリベラルなので、「互いに銃を持たせて撃ち合えるようにしよう」って感じになる。ただし、発言者から「下民どもをコントロールするために、公権力だけが銃を持つべきだ」という説得が行われると、リタさんは「なるほど」となる。ただ、カミラさんから「平和のためにうんぬんかんぬん」と説得を試みられても、リタさんは納得しないだろうなと。そしてヴィム君は、周りの事はともかく、「銃はダメだ」と言うんだけど、いざ銃を持たせてみたらめちゃくちゃ撃つタイプ。一方ハイデマリーは自己矛盾を飲み込むことができるので、自分だけが銃を持つことができる。この例えであれば、それぞれのキャラクター性がわかっていただけるんじゃないかなと思います。

 

雑用付与術師が自分の最強に気付くまで

※夜蜻蛉《ナキリベラ》の団長であるカミラ

 

雑用付与術師が自分の最強に気付くまで

※黄昏の梟《ミナーヴァ・アカイア》のリーダーであるリタ=ハインケス

 

 

――続いてイラストについてもお聞かせいただければと思います。本作のイラストは白井鋭利先生が担当されています。お気に入りのイラストなどについて教えてください。

 

まず、キャラクターデザインについてはすさまじいクオリティのデザインが送られてきたことを覚えています。才能と技術で飯を食うってこういうことなんだなと、これがプロかと思いました。デザインをもらってからは、頭の中のキャラクターがすべてイラストのキャラクターに置き換わりました。お気に入りのイラストは、第3巻の表紙がすごくよかったんですよね。あとは第1巻の口絵の「――移行:『傀儡師(ペプンシュピーラー)』」のイラスト。すごく気合が入っていていいなって思いました。

 

雑用付与術師が自分の「最強」に気付くまで3

 

雑用付与術師が自分の最強に気付くまで

※戸倉先生が特にお気に入りだというイラスト

 

あとは、読者さんに見せられておらず残念だなと思ってるんですけど、第3巻の踏破祭に出たハイデマリーの衣装があるんですよ。そのキャラデザを見た時に、普段は奔放に歩いているハイデマリーがお淑やかな格好をしていて、いい意味で「これ誰?」と感じるくらいに可愛らしかった。立ち姿のハイデマリーを読者さんにも見てもらって、僕が感じた気持ちを感じてほしいです。

 

雑用付与術師が自分の最強に気付くまで

※未公開キャラクターデザインを初公開! 真ん中のハイデマリーのデザインは必見!

 

 

――そして本作のコミカライズも連載中となっており、アラカワシン先生が担当されています。あらためて漫画版ならではの魅力はどんなところでしょうか。

 

僕の中ではアラカワシン先生をアラカワ神と書いて読んでいます。原作小説の書籍化もメディアミックスとして考えた時に、この作品のメディアミックスの目玉は漫画だと思っているんですよ。アラカワ先生の才能がすごくて、僕は平身低頭する次第なんですけど、毎度すごいなって思いますし、本当に担当していただけて嬉しいです。アラカワ先生の漫画力というか、画力やアクションシーンなど、引き出しがめちゃくちゃ多いんですよ。監修をしていると、漫画にはコマ割りがパッと目に入ってきて、台詞通りに視点を動かしていくだけで面白いっていう作用があると思うんです。これは小説にはないシステムだと思っていて。本当にすごい才能の方に担当していただけて嬉しいです。

 

コミックス 雑用付与術師が自分の最強に気付くまで1

※コミカライズは「マンガがうがう」にて好評連載中

 

 

――あらためて著者の視点より、本作の見どころや注目ポイントについて教えてください。

 

基本的な本作の見方は、追放ものなので、肩の力を抜いて、一段低い目線から読んでもらうくらいでちょうどいいかなと思います(笑)。そういったテンプレートの中で、何ができるかを考えながら、忠実にエンタメを作ったわけなので、読んで楽しんでもらって、読み終えたら忘れてもらって、何かのタイミングで思い出してもらえたらいいのかなと。そしてコミカライズはこれからすごい盛り上がります。いただいた原稿もすごく良かった。作中のターニングポイントになる人間不十分というエピソードのお披露目も、すごく楽しみだなって思います。

 

 

――今後の目標や野望について教えてください。

 

隠居したいですね(笑)。関東でも九州でもいいので、ずっと寝ると銭湯に行くを繰り返したい。まあ、真面目な話をすると、WEBで連載している三章をしっかりと書き上げることでしょうか。これからガンガン書き上げていく怖さもあるんですけど、書き上げることがひとまずの目標です。あとはクリエイターものの小説は書いてみたいです。小説を書いていく以上、創作論は溜まっていくので、人生のどこかで一度は絶対に書きたいですね。

 

 

――それでは最後にファンのみなさんに向けて一言お願いします。

 

ファンのみなさんには感謝しています。三章の更新頑張ります。

 

 

――本日はありがとうございました。

 

 

<了>

 

 

モンスターレーベル10周年記念企画第2弾として、陰キャな主人公・ヴィム=シュトラウスが、迷宮の奥へと無双を続ける物語を綴る戸倉儚先生にお話をうかがいました。小説本編はもちろん、コミカライズでも見どころ満載の本作。まだ読んだことがない方はこの機会にぜひ手に取ってみてください。『雑用付与術師が自分の最強に気付くまで~迷惑をかけないようにしてきましたが、追放されたので好きに生きることにしました~』は必読です!

 

<取材・文:ラノベニュースオンライン編集長・鈴木>

 

©戸倉儚/双葉社 イラスト:白井鋭利

kiji

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